どうも、悪女の友達です。[歌い手] (ページ8)

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６話　どんな飴だよページ8

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ピンクの頭改め桃原成瀬は肩まで伸びた髪をゆらゆらと揺らしながら、私の元まで近づいてくる。ウエーブがかったピンクの髪にぱっちりとした大きな瞳。小柄な体系から女性と勘違いされるが彼は正真正銘の男だ。

「斉藤、化学の先生が教材運ぶの手伝ってほしいってお前のこと探してたぞ」

その証拠かどうかは人によるが、見た目からは想像できない男性的な低い声で用件を述べた後、彼は当たり前のように掌を差し出した。差し出された掌にステーキとミルクのミックス味とかいうおそらく美味しくなかろう飴玉をのせると、「まずそうな飴持ってるな」と貰っておいて難癖をつけながら去っていった。

「つかめない方ですはよね。桃原様」

再度、私の腕に自分の腕を絡ませ桃原成瀬のほうに目を向ける蘭湖。多分手伝いに行ってほしくないから腕を絡ませたのだろう。少し力が強い気がする。

『それじゃ、蘭湖(らんこ)。先生のお手伝いに行ってきまーす。』

軽く敬礼をしおどけると、組まれた腕をやんわりとほどいて化学室の方向に足を向けた。しかし、袖をつかまれたため振り返ると蘭湖は頬を膨らましていた。

「先生が一人で準備をすればいいじゃありませんこと？Aの仕事じゃありませんは。」

確かにそうなだけど、クラス委員だし手伝わないと化学の先生は私が一般庶民なのをいいことに、ねちっこく責められるから手伝わないわけにはいかない。

化学苦手だからこういうとこで点数稼がなきゃとか適当言って蘭湖をなだめ、現在化学室…ではなく、保健室のベットで横になっている。