どうも、悪女の友達です。[歌い手]

２話　気分の悪いモノ ページ4

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蘭湖は、私の腕に自分の腕を絡め、「行きますわよー」と後ろで控えていた数名の少女たちに呼びかけ歩き出した。



チラっと長い黒髪が綺麗な…いや、綺麗だった少女を見た。自分の一部であった髪の毛を一房手に取り、顔を伏せ泣いていた。
見ていて気分の良いものではないし、胸のあたりがモヤモヤとして気持ちが悪い。



不快に思うが何もしない。


蘭湖の友達だからという簡単な理由ではなく、彼女を助けるのはメリットよりデメリットの方が多いからだ。それに、可哀想だからと助けてしまっては私が練りに練った〃計画〃を自分で台無しにしてしまうことになる。そんな馬鹿なことはできない。


だからこのモヤモヤは、この嫌は必要なものだ。私の嫌だと思うものが積もれば積もるほど私が望む結末を迎えることができる。私にとってのハッピーエンドに...。今は我慢だ。



「どうしましたの？」



『何でもないよ〜』



ポケットから棒付きキャンディーを取り出し包装をぺりっとはがすと自分の口の中に入れた。口の中でレモンの甘酸っぱく、爽やかな香りが広がり胸のモヤモヤが少し引いた。
不快なもの(いじめ)を見た日や、気が晴れないときはよくレモンキャンディーを食べる。爽やかな匂いが、気分を幾分か明るくしてくれるからだ。

３話　来栖蘭湖という人間→←１話　過激派

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