イナズマイレブン―孤独ノ華―【FF編】 (ページ40)

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～第三十八話～ページ40

「＿＿＿＿ゴットハンド!!」

「円堂!!」

結果は＿＿＿＿＿

｢!!｣

｢っくそ…!!｣

｢止めた…!｣

円堂君が杉森のシュートを止めたところで、ホイッスルがなった

試合は、雷門の勝利…

…でも、御影専農の選手達は皆晴れた表情をしている

…素晴らしい試合だった

きっとあの人は、そういうだろう

｢やった、勝ちましたよ!!｣

｢これでまた1歩、進めたわね｣

『……』

私はマネージャーたちに見つからないよう、こっそりとスタジアムを出た

＊

外に出ると、見慣れた帝国の車が待機していた

私が近づくとドアが空き、私が乗り込んだのを確認すると車は走り出す

『…Z、か…』

まだ帝国との試合も終わっていないのに、プロジェクトZだなんて…

…まさか総帥は、私が…帝国が負けると思っているのだろうか

＊

しばらくして降ろされた建物には、どことなく神々しい雰囲気を感じる

周りを見渡しながら進んでいくと、スタジアムが見えてくきた

私はそこの真ん中あたりで歩みを止めた

周りにはなにも、ない

『…はぁ……』

私がため息をついたその時＿＿＿＿

｢＿＿＿やあ、待っていたよ｣

『!!』

私は声に驚き、後ろを振り返る

「…君がAさんだね」

『えぇ…貴方がアフロディ?』

まるで女神のような、綺麗な長い髪を靡かせて彼は微笑んだ

｢そうだよ

…君は噂より美人だね。僕のタイプだ｣

『あら…ありがとう

私も貴方は嫌いじゃないわ』

社交辞令には社交辞令に返しておこう

彼は煽てるのが上手なタイプだと判断した

「ふふ、嬉しいよ…

でも次は敵として、君を潰すことになるんだね」

『…貴方にできるかしら?好みの女の子を傷つけるなんて』

…まあ、きっと総帥は何かと理由をつけて、私を試合のメンバーから外すだろうけど

『でも、いずれ私はあなた達の元へ行くでしょう?

総帥はそう言っていたわ』

｢その時は僕が迎えに行くよ

君を雷門から、華麗に連れ去ってみせる｣

『…貴方はまるで神様ね』

｢あぁ、僕は神だ…

誰も踏み入ることの出来ない、絶対の領域…｣

彼が神様だというのなら、納得はできるような気がする

それほどに彼は美しいのだろう、と私は思う

｢まあ…その時まで、彼らを踊らせてあげるといい｣

『…そうね』

｢じゃあ、また会うときまで……またね、A｣

『…えぇ…ごきげんよう、アフロディ』