イナズマイレブン―孤独ノ華―【FF編】 (ページ31)

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～第二十九話～ページ31

「…証明はした」

そういって杉森たちは帰っていこうとする
…なんだか釈然としないのよね。腹が立つ

さっき私の傷を抉った、っていうのもあるけれど

『…帰ろうとしているところ悪いけど、私のシュートもうけてもらうわよ』

「…!…いいだろう、元帝国のお前のシュート受けて立つ!」

「…A?一体どうしたんだよ」

『えぇ、さっきちょっと腹が立ったから』

「ははは…とにかく頼んだぞ、必ず点をとってくれ!」

軽く円堂君に微笑み、豪炎寺君のいるフィールドのほうへ歩いて行った

「A…大丈夫か?」

『…ちょっと遊ぶだけ、よ。

　1点とったら私の勝ち、とれなければ貴方の勝ち、ルールに変更はないわ』

「構わない」

『…行くわよ』

私は少し屈んだ体制のままゴールへ向かう
低い姿勢からのシュートと言えば、キーパーの足元を狙ったものだと思うだろう

「!」

彼が右下へ手を伸ばした隙に、足を思いっきり振り上げて左上のコーナーを狙った

『今更気づいても、もう手遅れよ＿＿＿＿』

私の放ったボールは、静かにゴールの角へおさまった

「!」

「…相変わらず、トリックプレーが得意だなぁ…」

なんて土門の声も聞こえたけれど、気にしないことにした

私は杉森に近づいて言った

『私のデータを取っても無駄よ?貴方たちと戦うことは、もうないわ』

「っ……」

そうして今日の騒動は幕を閉じた

＊＊＊＊＊

『…じゃあ、今日の報告よろしくね』

「はいはい」

今日のデータの送信は、土門に任せた
もう帰りたい、というのが1番の理由。少し申し訳ないけれど、やるべきことがまた残っているから

＊
やるべきこと、といっても…学校のお嬢様に呼び出されただけなのだけど

『…夏未さん?用事って何かしら』

「あぁ、Aさん。実はね、いい修練所が眠ってるって話を聞いたの」

『眠ってる…?まさか、この学校に?』

どうやら彼女にはいい企みがあるらしい
で、それの整備の最終確認をしてほしいとのこと

『…なんだかんだ言って、サッカー部のために色々と考えてるのね』

「なっ…ち、違います!私はただ!」

『…ただ?』

「…す、少しでも…彼らの成長につながれば、と…」

『…いいわね。素直な夏未さんも、嫌いじゃないわ』

「あっ、貴方趣味悪いわね…」

『ふふ、ありがとう』

…なんて話をしながら、修練所へ案内してもらった