あの子はカメレオン

シャッチョさん ページ27

side A.







逃げ恥の撮影も中盤になったが、この前から新しいドラマの撮影も始まり某テレビ局のドラマが制作されているスタジオにずっといることが多くなった。









今日は新しいドラマの撮影。







休憩に入っていると見慣れた後ろ姿。








『シャッチョさーん』

倫「そうですよ、浅羽社長です」




倫也さんもドラマの撮影の休憩中らしく、服装も髪型も浅羽社長のまま。





倫「今日はみくりちゃんじゃなくて櫻子さんの方？」

『そうです。キャリアウーマンです 笑』





ふわふわ系な倫也さんと話すといつも疲れが吹っ飛ぶ。






倫「浅羽社長のこと観てくれてる？」

『忙しいから先週の分は観れてないけどちゃんと観てます』





そっかそっかー、なんて相槌を打ちながら頭をふわふわと撫でているのは犬を撫でているかのようだ





『私犬じゃないですよー』

倫「んー？なんかAって頭撫でたくなる」





ふわふわと撫でている手が優しい。


この人、マイナスイオンが体内から出ているのでは､､､?





倫「どうしたの？」

『えっ？』

倫「なんか考えてそうな気がした」

『倫也さんって体からマイナスイオンが出てるのかなーって』









めっちゃ目を丸くするじゃん。


そりゃあ驚くか。









倫「お姉さんちゃんとご飯食べてる？疲れてない？」

『ちゃんと食べてます。ご飯が生き甲斐です。』

倫「ははっ、よかったー、急にマイナスイオンとか言うからご飯食べれてないぐらい疲れてんのかと思った」









いえ、倫也さんから出るマイナスイオンは本当だと思います。









倫「あっ、そろそろ行かなきゃ。」

『じゃあ、お互い頑張りましょうね』

倫「うん、体調に気をつけるんだよ」

『倫也さんもね』

倫「毎日ご飯食べて、お風呂入って、暖かくして寝るんだよ」

『なんか倫也さんお母さんみたい』

倫「そこはお兄さん！」









2人で笑い合ったあと、倫也さんと手を振りながらお別れした。









今日もマイナスイオンをありがとう。

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