はち 。 ページ8
.
｢そういえばさ、
なんでAちゃんは俺に弟子入り？
しようと思ったの？｣
｢えっと、それは…｣
｢この子、好きな人いるんです｣
｢あっ、ちょ、ちょっと！凛！｣
｢す、好きな人…？｣
目をパチクリさせる祐基先輩。
｢えっと、まぁ、そうなんです…
それで、私には愛嬌が足りないってなって
誰かを参考にしよう！って思ってた時に祐基先輩がいて…｣
｢な、なるほどね〜あはは〜｣
｢Aちゃん｣
初めて稜雅先輩に名前を呼ばれ
くるっと大きな目に見つめられる。
｢好きな人って誰なの？｣
｢内緒でお願いしますね？｣
｢うん｣
｢同じクラスの佑亮くんです…｣
｢あぁ〜｣
教えると納得した様子で
またご飯を食べ始める。
｢まぁ、とりあえずそういうことみたいなので、
祐基先輩、この子のことよろしくお願いします｣
｢えっ、あっ、うん！｣
しばらくフリーズしていた祐基先輩は
凛の呼びかけで我に返った。
｢でもさ、俺の愛嬌って何？｣
｢ん〜、あれじゃね？ドジ｣
｢いや、それは違うでしょ｣
｢でも、よく言われてんじゃん。
祐基くんドジしてて可愛いって｣
｢俺は嫌なの〜！治したいと思ってるんだよ？｣
｢俺が予言してやろう。
お前がドジじゃない未来はない｣
｢おい、そんな不吉なこと言うなよ〜｣
｢ドジ力…｣
｢え、どうしたの？Aちゃん？｣
｢それだ…！
祐基先輩、私ドジ力付けようと思います！｣
私の発言にポカンとする3人。
そうだよ。少しドジなくらいが女の子は可愛いんだ。
私、ドジ力始めます。
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作者名：ゆ き の こ 。 | 作成日時：2016年2月18日 0時
