に × じゅう + よん 。 ページ24
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｢A、次稜雅先輩と祐基先輩の出るバレーだって｣
｢行く行く！｣
どうやらバレーボールの一試合目が
3年5組の試合らしく、
約束通り私達は応援に行くことになった。
｢うわっ…すごい人…｣
体育館に入ると、
コートの外にはたくさんのギャラリー。
『祐基くーん！！がんばれー！！』
『稜雅くんふぁいとー！！』
と、共に聞こえる黄色い歓声。
まだ始まる前なのにすごいな…
｢やっぱり人気なんだねぇ｣
｢負けない｣
｢え？｣
｢稜雅先輩がんばれーーー！！！！！｣
隣でいきなり大声で叫んだ凛。
その瞬間こっちを振り向いた稜雅先輩。
周りの音にかき消されることなく
稜雅先輩の元まで声が届いたらしい。
片手の拳を前に突き出し、微笑んだ。
｢やった…｣
｢凛すごいね…｣
｢これくらいやんなきゃ｣
私の親友はここまで頼もしくなったのか。
恋する乙女は可愛いって言うけど、
本当にその通りなんだなぁ…
｢ちょっとA｣
｢ん？｣
｢祐基先輩が手振ってるよ｣
｢え？あ、ほんとだ！｣
｢手振りながら何か言ってるよ｣
｢ん？えっと…、"お…れ、も"？｣
｢俺も応援してってことじゃない？｣
｢え？！は、恥ずかしいよ…｣
｢頑張ってみよーう。せーのっ！！｣
｢えっ？！あ、えっと、祐基先輩がんばれ！！｣
しどろもどろ言っちゃったけど聞こえたかな…？
祐基先輩の方を見ると、
さっきの稜雅先輩みたいに片手の拳を突き出して
顔をクシャっとして笑った。
その笑顔にこっちまで嬉しくなった。
頑張れ、祐基先輩。
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作者名：ゆ き の こ 。 | 作成日時：2016年2月18日 0時
