さん 。 ページ3
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｢あの、村田祐基先輩という方いませんか…？｣
3年5組の教室に来て、
近くの先輩に声をかける。
｢おい祐基ー！お前に用があるって！｣
｢えっ、俺っ？！｣
ミルクティー色の髪をした男の人が
目を丸くしてこっちを見ている。
すごい目力だ…
｢あの、いきなりすいません。
私、佐倉Aっていいます｣
｢えっと、俺に何の用かな…？｣
｢ちょっとお話したいことがあって…
今、お時間いいですか？｣
さすがに教室内だと言いづらいから、
少し離れた階段の踊り場へ呼び出す。
何かソワソワしてる祐基先輩。
どうしたんだろ。
｢あ、あの！｣
｢う、うん！｣
｢私を弟子にしてください！！！｣
｢はいっ！…って、え、待って？なんて言った？｣
｢だから、私を祐基先輩の弟子にして欲しいんです｣
｢いや、えっと〜、ダンスの事かな？｣
｢違います。私に愛嬌を伝授して欲しいんです｣
｢愛嬌…？｣
全く意味のわかってない祐基さんは
不思議そうな顔をしている。
｢祐基先輩は愛嬌があるって、
色んな人が言ってるのを聞いて…｣
｢そ、そうなの？｣
｢私、愛嬌がないって言われるんです。
だから、愛嬌を身につけたくて…｣
｢ん〜、でも俺って愛嬌あるのかな？｣
コテンと首を傾げる祐基先輩。
私はその時確信した。
この人は愛嬌の神様だと。
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作者名：ゆ き の こ 。 | 作成日時：2016年2月18日 0時
