【ツイステ】とある日本人が迷い込んだお話。 (ページ9)

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グリムの上で雨漏りが起きていた。
この古さなら他にも雨漏りしているだろう。

グリムが魔法で雨漏りを直せばいいと提案してきたが、すぐに私が魔法を使えないことを思い出して笑ってくる。
そう言うなら手伝ってくれても良いのではと思ったが、どうやらツナ缶が出ないと手伝ってくれないようだ。

そうこうしているうちに、雨漏りでどんどん部屋が濡れていく。
早くバケツか何かを見つけなければ。

バケツと掃除道具を探しに廊下に出る。
廊下は灯りが付いておらず、生温い隙間風がさらに薄気味悪さを際立たせていた。

こういう洋風の館でこの薄気味悪さは何か出てもおかしくないだろう。

と思っていたら目の前に白い足のないゴーストが3体現れる。
気味の悪い笑い声を上げながら、久しぶりの客人である私に喜んでいた。

ゴーストの声を聞きつけてグリムが廊下に出てくると、グリムは驚いて大声を出す。

ゴーストB「ここに住んでた奴らは俺たちを怖がってみーんな出ていっちまった。」

ゴーストC「俺たちずっと新しいゴースト仲間を探してたんだ。お前さん、どうだい？」

私がゴーストに？まぁある意味ゴーストのようなものですが…。

グリム「大魔法士グリム様はお化けなんか怖くないんだゾ！」

グリムは全身の毛を逆立たせながら炎をゴーストに吐く。
しかしその炎はゴーストに擦りさえしなかった。

ゴーストA「どこ見てるんだぁ？」

ゴーストC「こっちだこっちだ！イーッヒッヒ！」

グリムは苛立ちながらまた炎を吐くが全く当たらない。
グリムが炎を吐くとき、目を閉じてしまっている。
それでは当てようとしても当たらないのは当然のことだった。

「グリム、目を閉じていては当たりませんよ。」

グリム「うるせーっ！オレ様に指図するんじゃねーんだゾ！」

「……ゴーストを追い払うことができたら学園長を見返せるかもしれませんよ。」

そう言うとグリムはやる気を出した。
しかしグリム1人ではゴーストの数が多い。

「手伝いましょうか？」

グリム「オイ、オマエ！お化けがどこにいるかオレ様に教えるんだゾ！」

「任せてください。」

ゴーストの位置をグリムに正確に教えると、目を閉じたままでも炎がゴーストに当たる。
ゴーストたちは怯み姿を消しして逃げていく。

グリム「あ、あれ？勝っ……た？」

「すごかったですよ。」

そう言うとグリムは力が抜けたようにその場に座り込む。
目には少し涙が浮かんでいた。
よほど怖かったのだろう。