【ツイステ】とある日本人が迷い込んだお話。 (ページ7)

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闇の鏡「この者のあるべき場所はこの世界のどこにも無い……無である。」

闇の鏡の返答に学園長は驚きを隠せないでいた。
現に私も少し驚いている。

まだこの夢は続くのか、と。

クロウリー「なんですって？そんなこと有り得ない！」

学園長は動揺しながら私の出身地について聞いてきた。

「日本です。」

クロウリー「……聞いたことのない地名ですね。私は世界中からやってきた生徒の出身地は全て把握していますが、そんな地名は聞いたことがない。一度、図書館で調べてみましょう。」

そう言われ、学園長と共に図書館へ行く。

図書館は先程とは違い灯りがついており、部屋全体が明るく全容を把握できるようになっていた。
天井いっぱいに本が並んでおり、ここでずっと暇を潰せそうなくらいの本があった。

学園長は地理学、歴史学の本棚と思われる場所へ行き、何冊も分厚い本をめくっては棚に戻しを繰り返していた。
しかし、日本のことが載っているページは見当たらない。

クロウリー「やはり、ない。世界地図どころか、有史以来どこにも貴方の出身地の名前は見当たりません。」

あまりにも私の出身地の名前すら見当たらないため、学園長は本当に私が日本から来たのかを疑ってくる。
まぁまず、私自身ツイステッドワンダーランドという国名を聞いたことがない。
そんなファンタジー味溢れる国があれば覚えているはずだ。

学園長が見ていた本は英語で書かれていたので、英語圏の国ではあるのだろう。
だが、私がいた世界でこの国は存在しない。

異世界に来たのだろう。夢の中で。

クロウリー「こうなったら貴方が何らかのトラブルで別の惑星……あるいは異世界から招集された可能性が出てきましたね。」

「異世界…ですか。」

クロウリー「貴方、ここへ来るときに持っていたものなどは？」

見るからに手ぶらな私に身分証明書になるようなものなどあるはずがない。
そもそも夢の世界なのだから。
唯一持っている、と言うより付けているものがあるとすればこの翁の面くらいだ。

クロウリー「困りましたねえ。魔法を使えない者をこの学園に置いておくわけにはいかない。しかし、保護者に連絡もつかない無一文の若者を放り出すのは教育者として非常に胸が痛みます。」

若者……きっと貴方よりももっと……いやこれは言わないでもいいだろう。
ここでは若者に混じっておくとしよう。

学園長は私がそんなことを思っているとは知らず、またあの胡散臭い笑みを浮かべていた。