8. ページ8
「ああ、良いよ元はと言えばこっちの落ち度だから。」
金髪が答える。
「落ち度というのは」
まあ宝条の言っていた連絡機能のハックだろう。大体検討はついていたが一応聞かせてもらう。
話の内容は想像通りだった。初め私に依頼した時に連絡を取っていたのは間違いなく自分達の仲間のナカムラであったが、つい先日、突然私からの連絡が途絶えたらしい。決行が近づいているのに不審だと思い色々と調べると彼らのアドレスは乗っ取られ、自分達宛の連絡が全て他のコンピュータに送られるよう設定されていたのだと。
「でも俺らのパソコンを乗っ取るとか中々だよ。宝条だっけ、一回接触してんだけどその辺のプログラミングがずば抜けて得意みたいで。」
「まあ、あんたへの復讐だろ。俺らはうまく使われたってこと」
金髪の説明の後に小柄な男が補足を加える。
そのすぐ後にそういえば、と金髪が話を切り出した。
「自己紹介まだだったね。俺はきりやん、で狙撃手さんの隣の奴がシャークん。あだ名みたいなもんだから好きに呼んでね。」
「…あの、狙撃手呼び、少し恥ずかしいのでやめていただけると…。Aです、行動時はこちらでお願いします。」
きりやんさんはやっぱそうなんだ、と笑いすぐに了承してくれた。
しかし、私はまだ1番の気掛かりの確証が持てていない。きりやんさんの開錠能力とシャークんさんのとてつもない戦闘技能、この２つをもってして只者のわけがない。やはりこの2人が…
赤信号で停車した時、きりやんさんが体ごと私の方を向いた。チョーカーについた白い尻尾のようなストラップが月明かりに照らされ発光する。
「Aさんの通り名の話で思い出したけど、俺らにも一応そういうのあるんだよね」
緑と黄色。2人の色彩豊かな瞳がキラリと光った気がした。
「俺ら特に名前とか考えて無いんだけど、御察しの通り。周りからは
＿＿＿＿＿『white tails』って呼ばれてる。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 27人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ボケナス | 作成日時：2021年12月23日 2時
