こんにちは天使です。[フジキヨ] (ページ10)

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第八話「お昼」ページ10

▼フジside

キヨ「フジ！遊園地って楽しいな！」
フジ「う、うん…！そうだねぇ……！；；」

しばらく遊んでもうお昼。
遊園地にある売店でご飯を食べることにした。
ホットドッグや小さいピザ、カレーなど、二人で分けて食べる。
売店とは思えないくらい美味しかった。
キヨはカレーをえらく気に入ったみたいで、今食べてるので二杯目。
ホントよく食べるなぁww

？「うちの子が池に！！！！！！助けてください！！！！！」

どこからか聞こえた叫び声。
俺とキヨはすぐにその声のした方向へと向かった。
すると、３歳ほどの男の子が池で溺れかけていた。

母親「誰か！！！助けてください！！！誰か！！」

必死に母親が助けを求めても周りにいる人はみんな見ているだけで、誰も助けようとはしない。
なにせこの池は、水深が3メートル近くあるのだ。

フジ「……キヨ、ちょっとこれ持ってて」
キヨ「え？ちょ！！おい！！！」

俺はキヨに財布と携帯を渡して池に飛び込んだ。
そして男の子を連れ陸に上がり、その子の背中をトントン叩き、飲んでいる水を吐き出させた。

フジ「多分このあとすぐ疲れで眠ると思います。でも命に別状はありません。多分…！」
母親「ありがとうございます！！！ありがとうございます！！！！！」

周りの観衆は、全員拍手をしていた。
歓声と拍手が混ざった音を自分が浴びているのは、とても気持ちがよかった。

キヨ「フジ！大丈夫か！？」
フジ「え？あ、キヨ！！ごめんね！急に………」
キヨ「それより、こっちこい！」
フジ「え！？」

*****
キヨに連れて行かれたのは、遊園地の中の医務室だった。
そこでは、温かい飲み物とタオルを出してくれた。
そしてタオルでキヨが俺の髪を拭いてくれてる。
俺は自分でやると言ったのだが、キヨがやると聞かなかったからキヨに甘えてやってもらってる。

フジ「ホントごめんね、キヨ。」
キヨ「お前、すげえよ。」
フジ「え？」
キヨ「あのとき、誰一人動こうとしなかったのに、フジは当然のように池に飛び込んでったじゃん。俺には出来ねぇよ。あんなこと。」

とキヨが言う。
あのときは気がついたら体が動いてた。
ふと気づいたら体が濡れていて、おります溺れてたはずの男の子の背中を叩いてた。

キヨ「かっこよかったぞ。フジ。あの姿、お前の好きな奴に見せてやりたいな。」
フジ「wwありがとう。」

俺は出された飲み物を飲み干し、閉園の時間までアトラクションを楽しんだ。