動き出す ページ49
〜A☆Side〜
少しだけビクリとしながら開いた扉へ目を向ける。
すると、そこには穏やかな表情を浮かべた志萱さんがいて――
あ「志萱さん････あ、あの･･･」
志萱「気分はどうだ?」
“白夜がいなくなってしまった”
その言葉を言う前に、志萱さんが問いかけてきた。
あ「あっ、大丈夫です。眠ったらすごく楽に、なりました」
私がそう言うと、志萱さんは小さく笑って部屋の中へ顔を向けた。
それと同時に、志萱さんの後ろから伏見さんが顔を出した。
あ「あ、ふし――」
名前を呼ぶ途中で、私の声が途切れる。
伏見さんと目が合った瞬間、伏見さんが志萱さんの横をすり抜けて、
私の目の前に早足で歩み寄ってきたのだ。
あ「っ･･･」
伏見さんが、少しだけ身を低くして私の顔を覗き込んできた。
伏見「･････」
至近距離でジッと見つめられて、私は思わずその場で固まってしまう。
でも、伏見さんはすぐに姿勢を戻して――
伏見「行くぞ」
あ「え･･･?」
足先を廊下の先へと向けた伏見さんに少しだけ驚きながら、
私は志萱さんを見る。
私と目が合った志萱さんは控えめに微笑んで、軽く手を上げた。
そして小さく「またな」と別れの言葉を口にした。
あ「あ、ありがとうございました･･･!」
歩きだした伏見さんを見て、私は慌てて志萱さんにお礼を言って
伏見さんの後を追いかけた。
☆ ☆ ☆
廊下の先に消えていく２人を見送って、志萱は部屋の中へと戻る。
志萱「･･･白夜」
小さく名前を呼ぶと、部屋の中に銀色の狼が現れる。
志萱はその姿を確認して微笑み、その毛並みを優しく撫でた。
志萱「ご苦労様。ありがとな」
その言葉に、狼は小さく一鳴きして尻尾を振った。
志萱「･････」
スッ、と志萱は狼から視線を外して、
誰もいない部屋の一点を見つめた。
すると、その場所から黒い煙が撒き上がり
――１人の男が現れた。
志萱「････今夜、決行するぞ」
志萱の低く、静かな声が部屋の中に響くと
その男は黒い髪を小さく揺らし、
赤い瞳を怪しくきらめかせながら、
――楽しそうに口角を上げた。
☆ ☆ ☆
〜A☆Side〜
病院を出た後、私と伏見さんは街に来ていた。
そこで２人で買い物をしていると、いつの間にか時間が過ぎていて。
全ての買い物を終えた頃にはすっかり日が暮れていた。
伏見「･･･そろそろ帰るぞ」
荷物を抱えた伏見さんの言葉に、返事をして
２人で車のある駐車場へと向かう。
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アクア(プロフ) - 沙夜さん» ありがとうございます! その嬉しいお言葉が、頑張れる源です!(。-`ω-) (2016年3月12日 0時) (
レス) id: 73c7efff3b (このIDを非表示/違反報告)
沙夜 - 楽しく読ませてもらっています。これからも更新頑張ってください!! (2016年3月6日 23時) (レス) id: 236ae9874e (このIDを非表示/違反報告)
アクア(プロフ) - ＊*感謝リクエスト募集終了*＊ (2016年1月31日 0時) (レス) id: 73c7efff3b (このIDを非表示/違反報告)
アクア(プロフ) - 十六夜キツネさん» ありがとうございます!! これからも頑張ります(´ω｀*) (2016年1月24日 19時) (レス) id: 73c7efff3b (このIDを非表示/違反報告)
十六夜キツネ(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいております!お気に入り登録者100人突破おめでとうございます!これからも応援していますヽ(´∀‘｡)ﾉ (2016年1月19日 10時) (レス) id: cee5abaccc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アクア | 作者ホームページ：http://ameblo.jp/furanandberulove/entrylist.html
作成日時：2016年1月1日 0時
