練習開始 ページ36
〜A☆Side〜
太陽がすっかり顔を出した、昼下がり。
明るい光に照らされながら、私はその場に立ち尽くしていた。
人目につかない、セプター４の敷地内の――外。
伏見「･･･」
私のそばには、伏見さんが静かに待機している。
――自分の力を完璧にコントロールすること――
その練習だった。
あ「･･･っ」
ゆっくりと、私は手を前に差し出す。
大丈夫
怖がるな
あ「――風よ」
囁くように言った言葉と共に、ふわりと風が吹き始める。
集中しろ
あ「静かに舞い、我を包め」
その言葉の直後、風がゆっくりと流れ、私を包み込んだ。
私の巫女服と長い髪が静かに揺れる。
伏見「A。もういい、止めろ」
その言葉に私は頷き、小さく深呼吸をした。
あ「風よ。動きを止めよ」
スッと、前に差し出していた手を横に移動させる。
しかし――
あ「っ･･･」
――私を包む風が、止むことはなかった。
伏見「落ち着け･･･もう一度だ」
あ「は、はい･･･!」
再び手を前に差し出し、意識を集中させる。
落ち着け
落ち着け
小さく震え出した自分の手に、気持ちが焦り出す。
あ「風よ、動きを止め――っ!?」
言い掛けた言葉が、突然の暴風に遮られる。
それを筆頭に、風がどんどん強さを増していく。
伏見「A･･･!」
近くにいるはずなのに、
風のせいで、伏見さんの声が遠い。
強風に包まれて、
目も開けられない。
呼吸も出来ない。
――怖い
どんどん強まる風に、恐怖が止まらない。
その瞬間――
あ「･･･!」
自分の身体が、風によって宙に浮いた。
飛ばされる･･･!
そう思った時――力強い手が私の腕を掴んだ。
その手は、私の腕をぐいっと引き寄せて
――力強くぎゅっと抱きしめた。
そのあたたかさを感じた時。
私の恐怖がまるで糸のように突然プツンと切れた。
☆ ☆ ☆
〜伏見☆Side〜
飛ばされそうになったAを、慌てて引き寄せて
その小さな身体を抱える。
伏見「くっ･･･」
両足と両手に力を込めて、必死に強風に耐える。
それと同時に俺は片手を剣へと伸ばす。
伏見「っ･･･!?」
俺が抜刀する直前、突然Aの力が抜けた。
――風もピタリと止まった。
倒れ込むAを支えながら、俺もその場に膝をつく。
伏見「おい･･･大丈夫か」
激しく咳き込むAに、息を整えながら問い掛ける。
そして――気づいた。
Aの身体が、異常なほど震えていることに。
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アクア(プロフ) - 沙夜さん» ありがとうございます! その嬉しいお言葉が、頑張れる源です!(。-`ω-) (2016年3月12日 0時) (
レス) id: 73c7efff3b (このIDを非表示/違反報告)
沙夜 - 楽しく読ませてもらっています。これからも更新頑張ってください!! (2016年3月6日 23時) (レス) id: 236ae9874e (このIDを非表示/違反報告)
アクア(プロフ) - ＊*感謝リクエスト募集終了*＊ (2016年1月31日 0時) (レス) id: 73c7efff3b (このIDを非表示/違反報告)
アクア(プロフ) - 十六夜キツネさん» ありがとうございます!! これからも頑張ります(´ω｀*) (2016年1月24日 19時) (レス) id: 73c7efff3b (このIDを非表示/違反報告)
十六夜キツネ(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいております!お気に入り登録者100人突破おめでとうございます!これからも応援していますヽ(´∀‘｡)ﾉ (2016年1月19日 10時) (レス) id: cee5abaccc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アクア | 作者ホームページ：http://ameblo.jp/furanandberulove/entrylist.html
作成日時：2016年1月1日 0時
