羽を広げた蝶 ページ18
〜A☆Side〜
触れた手が――あたたかい
宗像さんは私の手を握り返すと、
優しく微笑んだ。
私は宗像さんの手に触れたまま
――立ち上がった。
宗像「今日からここが――貴方の居場所です」
ふわりと、優しい風が吹いた。
宗像「ようこそ。心から歓迎しますよ」
――初めて、だ
あたたかい居場所をくれたのも
優しい笑顔を向けてくれたのも
私の力を止めてくれたのも
私を必要だと言ってくれたのも
全てが――初めて
こんなたくさんの人と一緒にいることも
誰かとこんなに話したのも
誰かに触れられたのも
全部、全部。
正直、まだ不安や恐怖は消えない。
けど私は――
この人達を――信じたい
☆ ☆ ☆
黒髪の若い男は、
一部始終を見届けて、静かに息を吐き出した。
男「結局、俺が出る必要はなかったな」
その男の隣に寄り添う、銀色の狼が小さく鳴いた。
青の王の手を取って立ち上がったAを見つめて、
男は安堵の笑みを浮かべる。
男「これからあの子は、より美しく――青く輝く」
狼を撫でながら、男はそう言って立ち上がった。
男「あの子の“そばにいる＊＊”もこれでやっと自由だ」
狼と共にAを見つめて、男は目を閉じた。
男「早く、会えるといいな――＊＊」
そう言い残して、男は音もなく立ち去った。
☆ ☆ ☆
〜伏見☆Side〜
一段落して、Aがセプター４の一員となることが決定した。
そのことを全員が理解して安堵の溜息を吐き出す。
そして、その場の全員が
たった今起こったことを改めて確認するように、
砕けて溶け始めている氷の塊を見つめていたり、
風によって乱れた髪や服装を整えていたり、
炎や雷によって少し焼けた服を見つめていたり。
俺も、水によって濡らされた髪を片手で上にあげる。
そんな俺達の様子を――Aが見ていた。
とても、悲しく、申し訳なさそうに。
そんなAに、全員が気付いた。
宗像「貴方が罪悪感を感じることはないですよ」
室長が、穏やかに微笑んでそう言った。
でも、Aはそれでも控えめに俯いてしまった。
淡島「顔を上げて? よく見てみなさい」
副長のその言葉に、Aが恐る恐る顔を上げる。
淡島「全員、服や髪が乱れただけよ」
その言葉に、特務隊の奴がハッとした。
日高「俺達、誰一人･･･怪我してない」
あれだけ大きな力を暴走させてもなお、
負傷者が１人も出なかったのは
それだけ、Aが力を慎重に使っていたということだ。
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アクア(プロフ) - 沙夜さん» ありがとうございます! その嬉しいお言葉が、頑張れる源です!(。-`ω-) (2016年3月12日 0時) (
レス) id: 73c7efff3b (このIDを非表示/違反報告)
沙夜 - 楽しく読ませてもらっています。これからも更新頑張ってください!! (2016年3月6日 23時) (レス) id: 236ae9874e (このIDを非表示/違反報告)
アクア(プロフ) - ＊*感謝リクエスト募集終了*＊ (2016年1月31日 0時) (レス) id: 73c7efff3b (このIDを非表示/違反報告)
アクア(プロフ) - 十六夜キツネさん» ありがとうございます!! これからも頑張ります(´ω｀*) (2016年1月24日 19時) (レス) id: 73c7efff3b (このIDを非表示/違反報告)
十六夜キツネ(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいております!お気に入り登録者100人突破おめでとうございます!これからも応援していますヽ(´∀‘｡)ﾉ (2016年1月19日 10時) (レス) id: cee5abaccc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アクア | 作者ホームページ：http://ameblo.jp/furanandberulove/entrylist.html
作成日時：2016年1月1日 0時
