提案 ページ13
〜伏見☆Side〜
あ「･･･貴方たちじゃ、ダメ」
室長「何故ですか」
その質問に、Aは
言うのが辛いという感じで口籠った。
でも、すぐに控えめに口を開いた。
あ「私の力は、誰にも抑えられない」
――バカ
あ「貴方たちじゃ、私を保護できない」
――決めつけるなよ
あ「私を止められる人は、誰一人いない」
――俺達は、お前が今まで会ってきた奴とは違う。
あ「私は――バケモノ、だから･･･!」
室長「では、試してみますか?」
強く響いたその言葉に、俺は心の中で笑った。
その反面、Aは驚いたように目を見開く。
室長「貴方に触れられたら、私達の勝ちです」
あ「だ、ダメ･･･お願い。私に近づかないで」
戸惑い、怯えながら後ずさるAに、室長は微笑んだ。
そして――
室長「貴方がバケモノならば――」
青い炎を全身に纏って、室長はAを見た。
室長「我々は一体、何なのでしょうか」
その言葉に、室長の青い炎に、
Aは――
あ「っ･･･本当に、私を――止められる?」
震える声でそう呟いた。
その言葉に、室長が答えるより先に
伏見「――止めてやる」
俺がそう言葉にしていた。
たとえ、どれだけ強い力を持っていたとしても。
Aを怖いとは思わない。
Aを――“バケモノ”なんて思わない。
だってそうだろ。
目の前にいるAは、
どっからどう見ても
――普通の人間と変わらない。
ただ、自分の力が怖くて、
怯えて泣いて、震えて、
誰よりも助けを求めているだけだ。
そんなの、誰が見てもわかる。
それを証拠に、俺の後ろにいる特務隊の誰もが
戸惑いの表情を消していた。
ただ、目の前で泣きながら怯えているAを
――助けたいという感じだった。
だから、誰１人として室長の提案に異議を示さなかった。
室長「どうしますか?」
あ「････」
室長の提案に、Aはとても悩んでいるようだった。
でも、戸惑いながら室長と俺を見て、
やがて――
あ「････殺す気で、来て下さい」
まだ迷っているような口調で、静かにそう言った。
室長「私達は、全力を持って――貴方と向き合いますよ」
その言葉の後、室長は俺達に――抜刀許可を出した。
でも、決して彼女を傷つけるなと強く言った。
その命令に、全員が強く頷く。
そして、Aも意を決したように
ゆっくりと深呼吸をした。
――Aに触れられたら、俺達の勝ちだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 166人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アクア(プロフ) - 沙夜さん» ありがとうございます! その嬉しいお言葉が、頑張れる源です!(。-`ω-) (2016年3月12日 0時) (
レス) id: 73c7efff3b (このIDを非表示/違反報告)
沙夜 - 楽しく読ませてもらっています。これからも更新頑張ってください!! (2016年3月6日 23時) (レス) id: 236ae9874e (このIDを非表示/違反報告)
アクア(プロフ) - ＊*感謝リクエスト募集終了*＊ (2016年1月31日 0時) (レス) id: 73c7efff3b (このIDを非表示/違反報告)
アクア(プロフ) - 十六夜キツネさん» ありがとうございます!! これからも頑張ります(´ω｀*) (2016年1月24日 19時) (レス) id: 73c7efff3b (このIDを非表示/違反報告)
十六夜キツネ(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいております!お気に入り登録者100人突破おめでとうございます!これからも応援していますヽ(´∀‘｡)ﾉ (2016年1月19日 10時) (レス) id: cee5abaccc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アクア | 作者ホームページ：http://ameblo.jp/furanandberulove/entrylist.html
作成日時：2016年1月1日 0時
