暗く冷たい部屋 ページ2
〜A☆Side〜
眠りから覚めて、ゆっくりと瞳を開ける。
見えるのは
暗くて、小さな部屋の中。
その部屋の
――檻の鉄格子に囲まれて、
私は硬くて、冷たい床から身体を起こす。
何もかも
――いつもと同じ。
静まり返った空間。
狭くて、窮屈な――檻の中
あ「っ････」
どんなに泣いても
あ「た、す････けて････」
どんなに叫んでも
私の願いは――誰にも届かない。
――こんな力なんて、望んでいなかった。
この力のせいで、私は――
あ「････っ」
もう、いっそ――殺してくれればいいのに
私は、“バケモノ”だからここにいる。
私は、“神様の化身”だから殺されない。
あ「････どうして」
言葉にしても、誰にも届かない。
だから、いつも心の中で――願う
――ここから出たい
――自由になりたい
あ「･････」
――わかってる
どんなに願っても――意味がないことを
でも
それでも
――ねぇ、お願い
誰か――助けて
☆ ☆ ☆
ギィィ･･･と小さな音を立てて、部屋の扉が開く。
あ「･････」
私はその扉に背を向けたまま、じっと黙り込む。
“誰か”が食事を運んで来た。
いつも通り。
カチャリと音を立てて、私がいる檻のそばに食器が置かれる。
何も変わらない。
食事を置いた“誰か”はすぐに逃げるように部屋を出て行く。
一秒でも――私の････“バケモノ”のそばにいたくないから。
私を怖がっているから、私も視線を向けないし一言も喋らない。
お互いに――嫌な思いはしたくないから。
恐怖の目を向けられたくない。
“バケモノ”って言われたくない。
だから――
?「･･･もう少し」
びくりと、私は肩を大きく震わせた。
初めて――声を掛けられた。
?「もう少しで自由になれる」
――“自由”
その言葉に、私は恐る恐る振り向いた。
和服を着た“誰か”と目が合う。
?「俺は、××神社の跡取りだ」
××神社･･･?
?「今日は祭事でこの天宮神社に来た」
その人はそう言って、私と目線を合わせた。
?「お前とは初めて会うな」
嬉しそうに、
少しだけ――切なそうに
目の前の人はそう言った。
誰かのこんな顔、初めて見た。
いつも、恐怖に怯える顔と
私を嫌う、怖い顔しか
――知らなかったから。
?「大丈夫だ。待っていろ」
目の前のその人はそう言って
小さく微笑んで、部屋を出て行った。
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アクア(プロフ) - 沙夜さん» ありがとうございます! その嬉しいお言葉が、頑張れる源です!(。-`ω-) (2016年3月12日 0時) (
レス) id: 73c7efff3b (このIDを非表示/違反報告)
沙夜 - 楽しく読ませてもらっています。これからも更新頑張ってください!! (2016年3月6日 23時) (レス) id: 236ae9874e (このIDを非表示/違反報告)
アクア(プロフ) - ＊*感謝リクエスト募集終了*＊ (2016年1月31日 0時) (レス) id: 73c7efff3b (このIDを非表示/違反報告)
アクア(プロフ) - 十六夜キツネさん» ありがとうございます!! これからも頑張ります(´ω｀*) (2016年1月24日 19時) (レス) id: 73c7efff3b (このIDを非表示/違反報告)
十六夜キツネ(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいております!お気に入り登録者100人突破おめでとうございます!これからも応援していますヽ(´∀‘｡)ﾉ (2016年1月19日 10時) (レス) id: cee5abaccc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アクア | 作者ホームページ：http://ameblo.jp/furanandberulove/entrylist.html
作成日時：2016年1月1日 0時
