今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:202,375 hit
小｜中｜大
Episode7 思いがけない相手 ページ41
.
それから十日くらい、私は夢のことも記憶のことも櫻井くんのことも考える暇がないくらい仕事に没頭する羽目になった。
二宮くんと松本くんのおかげで何とかミスをカバーして二人と後日飲みに行く約束をした翌日から、急ぎの仕事が入って全員が忙殺される羽目になった。
さすが師走、みんなよく走るよね。
そのおかげで櫻井くんと言い争いのようなものになってから二週間弱たったある日、ようやく激務から解放された私は二宮くんと松本くん、それから多江ちゃんをKIWIに誘ってみたのだけど三人とも今日はパスと疲れ切った顔で言いながら帰ってしまったので、私は一人でKIWIまでの道を歩いていた。
結局仕事が忙しくてあれこれと思い出す余裕がなかったので、櫻井くんと顔合わせたらなんて言えばいいのかなぁ…とさっきから頭の中はそればかりだ。
この二週間弱の間に何も解決してないし、冷静に思い返してみるとちょっと過敏に反応しすぎた感じもするし、やっぱり謝るべきなのかな。
ぐるぐると考えているうちにKIWIにたどり着いてしまって、もう出たとこ勝負で行こうと勢いよく扉を開けた。
カラーンといつもより大きめに鈴の音が鳴り響いて、「いらっしゃいませ」という声に出迎えられる。
「お久しぶりです、瀬那さん」
「お久しぶりです…相葉さん」
意気込んで乗り込んでみたもののお店の中には櫻井くんの姿がなかった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 618人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：iCHiKA
| 作成日時：2020年1月24日 21時
