Episode1 -4 ページ5
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「年上の女の子らしいですよ」
「え、櫻井くん年上が好みなの？じゃあ私も立候補できる！」
「いや…いらないです」
「ちょっと！」
そうなんだ…。
櫻井くんって年上が好みなんだ。
多江ちゃんじゃないけど、私も少しだけ嬉しくなる。
タイプ…っていうのかわからないけど、初めて見た時から櫻井くんは私の中で気になる年下の男の子だから。
ついホッとするのは女心だよね。
ついでに初恋の話がわたしからそれたことにも安心した。
態度はちょっと冷たくて乱暴かもしれないけど、櫻井くんが冷たい人だとは私は思っていない。
私がお店に忘れたスマホを「おいて行かれても迷惑」って走って届けに来てくれたり、お酒を飲みながら眠りかけた私にブランケットをかけてくれたこともある。
あとからどうしてと問いかけたら「風邪ひかれたら気分悪い」って言ってたけど。
気づかいの人なんだろう、もともと。
それが伝わるから、たとえ私に対する言葉や態度が冷たくても私は櫻井くんに対する苦手意識はなくなってしまったのだ。
ちょっと、どうしゃべったらいいかわからなくはなるけど。
「それよりほら、注文とかないんですか。フードの」
「えー…じゃあ、今日のおススメおつまみください」
「だって、雅紀。聞こえてたでしょ」
「わかったって、作ってくればいいんでしょ」
櫻井くんにシッシと追い払われて相葉さんが厨房に行ってしまうと、多江ちゃんが同時にお手洗いに行くと言っていなくなってしまった。
さっきまで賑やかだったカウンターに静けさが戻る。
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作者名：iCHiKA
| 作成日時：2020年1月24日 21時
