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Episode6 -5 ページ40
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シュッと吹きかけるとレモンの香りが部屋に広がる。
吸い込んで吐き出すと、脳裏に櫻井くんの姿が思い浮かんだ。
この上着を着てお店に行ったら、櫻井くんはまた「忙しいなら来るな」って言うのかな。
「……て、ほんとだ」
私忙しいときにこのスプレー使ってる。
今まで無意識だったけど、確かに櫻井くんの言うとおりだった。
部屋が温かくなるのを待ちながらお風呂を洗ってお湯をためる。
本当はラグの上に体を放り出したかったけど、まだお風呂に入ってないからそれはできなくて、仕方なく膝を抱えて座り込む。
ほんとは仕事のこととか自分の過去のこととか考えなきゃいけないことはいろいろあるけど、なんていうかもう、いろいろありすぎて頭が付いていかない。
キャンディを何に使うかも考えなきゃいけないし。
ドロドロと思考の沼に落ちそうになっていた私を給湯器の音楽が引っ張り上げた。
二宮くんと松本くんの言う通り、さっさとお風呂入って寝よう。
疲れてるし、こんな日ならきっと夢もみないよ。
翌日目を覚ました私は自分の頬がパリッとしているのに気が付いて、あぁ今日もまたあの夢を見たのかと思う羽目になった。
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作者名：iCHiKA
| 作成日時：2020年1月24日 21時
