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Episode4 -3 ページ22
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きっと今の私はすごく難しい顔をしてると思う。
このままKIWIに行ったらきっと櫻井くんにこないだみたいにデコピンされてしまうに違いない。
「さくらいくん……」
その顔が思い浮かんだら途端に涙がにじんできた。
この間飲んだブランデーエッグノッグの味が恋しい。
いつだって冷たいけど、ただの客である私の体調を心配してくれた優しさが恋しい。
一つ思い浮かんだら、芋づる式に次から次へと思い出す。
私が忘れたスマホを走って届けに来てくれたことも、閉店時間にやってきた私を中に入れてくれたことも。
眠りかけた私にブランケットをかけてくれたことも。
私が初恋の話に困ってるのを見て、普段だったらしない自分の話を黙って流してくれたことも、本当はちゃんとわかっていた。
言葉がどんなにきつくても、櫻井くんがいつも誰かのことを考えて行動しているのを私は知っている。
一つ櫻井くんの優しさを思い出すたびに、一つ心に空いた隙間が埋まっていくようなそんな気がした。
目元ににじんだ涙を指の腹で乱暴に拭う。
泣いている場合じゃない。
調べなきゃ、私の過去を。
何かを、失くしてしまった気がするから。
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作者名：iCHiKA
| 作成日時：2020年1月24日 21時
