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Episode3 -5 ページ18
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首を傾げた悟くんに「そっかぁ覚えてないんだね」と笑って返す。
まぁ、そういうこともあるよね。
「いや、そもそも、Aちゃんがお葬式で泣いてた記憶がないんだよなぁ……全然」
「え？」
「泣くの我慢してていい子だなって思った覚えならあるけど」
「……どういうこと？」
「さぁ。誰かと間違えてんじゃねぇの？」
さして気にした様子もなく悟くんはビールのグラスをあおる。
だけど私は内心ですごく動揺していた。
どうしてか、すごく胸がざわついている。
悟くんに再会して話してるうちに昔のことをいろいろ思い出したりして、悟くんは優しかったなって思って久しぶりに感じる親族の優しさにちょっとくすぐったくなったりしてたのに。
その中で不意に思い出したのは最も鮮明な記憶で、あのとき私は子供ながらに悟くんのことを格好良いって思って、それで……。
あれ？
そういえば私お葬式で泣いたっけ…？
悟くんに「泣いてた記憶がない」と言われてしまうと、なぜだかそんな気がしてきてしまう。
いやまぁ、子供のころの記憶がすれ違うなんてよくあることだよね？
ぐるぐると回る思考を打ち切ろうと頭を軽く振ると、悟くんが思い出したように言った。
「あの子と間違えてんじゃねぇか？ほら、Aちゃんがいつも一緒にいたらしい男の子。結婚の約束したとか言ってたことあるよね。俺は一、二回しか会ったことないから顔も名前も覚えてないけどさ」
「え、男の子…？」
結婚の、約束？
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作者名：iCHiKA
| 作成日時：2020年1月24日 21時
