ねがいごとキャンディ ○2○ 《ars/s.s/0125》 (ページ38)

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Episode13 -2 ページ38

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うぬぼれでも何でもない。

翔をひどく想う気持ちが伝わってくるこの相葉さんが、私の思い描けない翔を語るわけがないと思った。

相葉さんがいとおしそうに笑う先にいる翔の姿は、私の知っている翔と相違ないと思うのだ。

「そうだよ。君。君がお店でほかの男と笑ってるっていうのに、翔ちゃんってばそれだけで俺は幸せだからってさ。せめて、笑顔を見ていたいって思っちゃうんだって。泣きそうになりながら言ってたことがあるよ」

私の知っている翔は、いつだって私に過保護で、私以外には冷たくて。

だけど本当はとてもやさしくて、ちょっとやきもち焼きで、だから私に文句を言ってくることはしない。

私が同級生の男の子と一緒に笑っていたのを見たと帰り道に告げる翔は、別にいいけどとそっぽを向くのがお決まりだった。

これはね、うぬぼれなんかじゃないの。

翔はいつでも私を大切にしてくれていた。

その翔を、信じているから。

私はそう思うことができる。

そう思うことができる私がそう信じないことは、私とは違う相葉さんにきっと失礼になってしまう。

彼はきっと、私と同じくらい…いや、もしかしたら、私よりずっと深く翔のことを想っているかもしれない。

人を殺したという翔を警察に送り出し、秘密も守り通し、けれど翔の願いであろう私の笑顔を見せることは妥協せず、そして翔が出ていくことを止めることはできない。

それでも、翔の願いを叶えるために、今こうして私と向かい合ってくれている。

翔が相葉さんを信頼する理由が、わかるような気がした。

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