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Episode8 -4 ページ4
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少しだけ頭が痛む。
まだ明けない世界の中で、遠くから誰かの話し声が聞こえた。
「本当にこれでいいの？」
「いい」
「……そう」
「早くそれ貸して。捨ててくるから」
「………でも」
「早く。こいつが起きるだろ」
だれ…？
声がする。
何の話をしてるの…？
「それは、翔ちゃんの願い？」
「そうだよ。俺の願い。叶えてくれるんだろ？カクテルに睡眠薬入れたんだから」
「……そうだね」
「だからほら、キャンディ寄こせって」
キャンディ……？
あれ、ここはどこだっけ……？
私は何をしてたんだっけ……。
「ねぇ翔ちゃん」
翔…？
「なんだよ」
「本当に、本当にこれでいいの……？」
「いいんだって、何度も言わせんなよ。それともなに、俺の願い、叶えてくれないの？」
「そんなことない。俺は翔ちゃんの願いを叶えるためなら何でもするよ」
「うん、知ってる。じゃあほら、早くそのキャンディ渡せよ」
翔…。
私、知ってる。
その名前。
最近じゃなくて、もっと…もっと昔に。
誰よりも、なによりも大切だった名前。
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作者名：iCHiKA
| 作成日時：2020年2月6日 21時
