. ページ20
side 優吾
優「慎、おいで？」
ちゅっちゅも一緒に小さな体を抱き上げれば火がついたように泣き出す慎。
慎「うわぁぁぁぁあああん！！！」
優「慎はとってもいい子だよ。先生ちゃんと知ってる。お薬も注射も全部頑張ってるもんね。大丈夫みーんなわかってるよ。」
慎の涙と鼻水でシミができる白衣。
同じ年代の子達にはない腕のあざは小さな小さなヒーローの戦いの証だ。
慎「いたいのもっﾋｯｸしたくないっ！もうおうちかえりたいっﾋｯｸの！」
優「そうだね。そうだよね…」
慎の言葉を遮る事なく全部の言葉を受け止める。
泣きたいだけ泣いて、全部吐き出せばいいんだ。
それが今の慎に1番必要な事。
パンパンに溜まった風船の空気を少しずつ抜いていくようにゆっくりゆっくり。
俺が向き合うのは子供の病気だけじゃないってこともまた子供が教えてくれる。
北「せんせ…」
白衣の裾をくいっと引っ張られて少し目線を落とすと一部始終を見ていたであろう北斗。
優「どした？」
北「これ、しんたろうにあげる」
北斗の手に握られていたのはぶどうのゼリー。
北斗が持つとなんだかとても大きく見える。
優「慎、北斗がゼリーくれるって。」
慎「ﾋｯｸんぅ…ｸﾞｽｯ」
北「どーぞ」
俺に抱かれてるから少し高い位置にいる慎太郎に手を伸ばして渡そうとする北斗の健気な行動に愛おしい気持ちでいっぱいになる。
慎「あ、ﾋｯｸがと…」
優「一緒に食べな。ほら北斗こっちおいで」
慎太郎のベッドは看護師さんにお願いして北斗を自分のベッドに戻らせて慎太郎も俺に抱きかかえられたまま北斗のベッドに腰掛けた。
ペリッと蓋を開ければぶどうの優しい香り。
少し柔らかくなった慎の表情。
今日は存分に甘えさせてやろう。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 719人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
せとんぜもち(プロフ) - joeさん» はじめまして！わたしの作品のことでお間違いないでしょうか？混乱させてしまって申し訳ございません(><)Twitterを再開致しましたので（@stnz__mochi）の方へご連絡頂けると幸いです(T_T)宜しくお願い致します。 (2022年2月2日 10時) (
レス) id: fa334e40df (このIDを非表示/違反報告)
joe(プロフ) - 他のお話のパスワードってどうしたら教えてもらえますか？Twitterはもうされてないんですかね？ (2022年1月23日 17時) (レス) id: b873ad5fb6 (このIDを非表示/違反報告)
ぱむ(プロフ) - みーちょんさん» 代表してお返事させていただきます！ご愛読ありがとうございました♪少しでもほっこりとした気持ちになっていただけたら嬉しいです！嬉しいお言葉に作者一同感謝します(^^) (2021年8月2日 12時) (レス) id: 766a683434 (このIDを非表示/違反報告)
みーちょん(プロフ) - みなさま、素敵なお話をありがとうございました！感動してボロ泣きです！早くみんなが笑顔でハイタッチできる日が来て欲しいなと思うばかりです☆ (2021年8月2日 1時) (レス) id: 61a5c2e382 (このIDを非表示/違反報告)
chapi(プロフ) - maru_さん» 私から代表してお返事させていただきます(^^)はじめまして，いつもご愛読ありがとうございます(^^)そう言っていただけて嬉しいです。更新頑張りますね(^^)ぜひ最後までよろしくお願いいたします♪ (2021年7月28日 10時) (レス) id: cc677b9cf1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：小児科すとーんず
x他4人 | 作成日時：2021年6月30日 15時
