【54】賛美歌 ページ6
｢あのスネイプ先生の演説は、嫌いじゃないですねえ｣
本音だった。
あの歌うような語り口調で紡がれた、愛の調べともいうべき口上は、スネイプから発せられた言葉にしては、耳障りがよく頭に残った。
Aはそれを一語一句違えず覚えている。
スネイプは目を細めた。
スネイプの演説の再現をうながしているようにみえたので、Aは、ゆっくり記憶をたどりながら口を開いた。
｢ふつふつと沸く大釜、ゆらゆらと立ちのぼる湯気、ひとの血管の中をはい巡る液体の繊細な力…………｣
息継ぎ。
｢吾輩が教えるのは、名声を瓶詰めにし、栄光を醸造し、死にさえ蓋をする方法である…………｣
｢どこからもってくるんです？こういう語彙は｣
感心をとおりこして呆れて言う。
スネイプはさきほどよりも驚愕の色を濃くし(とはいってもやや眉を歪める程度だが)、ふむ、と唸った。
｢長年学問に身を賭すとおのずとそれの賛美歌のようなものが頭に降りてくるものだ。
それよりも…………そうか、その暗記力で今まで試験を乗り越えてきたのだな｣
いまさらになって、スネイプとこんなにふつうに会話していることが異様におもえてきて、Aはすこしもじもじした。
一方スネイプは、一瞬Aに感心したかとおもうと、すぐに顔色が険しくなった。
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ココ - とても面白かったです(≧〜≦)) (2018年12月8日 17時) (
レス) id: b9c23439f9 (このIDを非表示/違反報告)
朝比奈(プロフ) - とても面白いです^_^更新楽しみにしてます^_^ (2018年5月24日 17時) (レス) id: ebaf376ead (このIDを非表示/違反報告)
花吹雪 - 霧崎さん» 恐るべし、セブルス・スネイプ…… (2018年2月28日 6時) (レス) id: 0d387c6cdc (このIDを非表示/違反報告)
霧崎(プロフ) - 花吹雪さん» セブルス・スネイプだから許される奇行ですね…… (2018年2月26日 23時) (レス) id: 6ee8c035df (このIDを非表示/違反報告)
花吹雪 - 霧崎さん» 確かに……笑自分の教師がそんなことしてたら普通に引くわ笑 (2018年2月26日 22時) (レス) id: 0d387c6cdc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霧崎 | 作成日時：2018年2月19日 20時
