【53】記憶 ページ5
電流がはしったみたいに肩がきゅっと上がってこわばる。
すぐうしろにスネイプがいた。
それはもう背中にぴったりくっついて。
音もなく近づいてきやがった。
アサシンかなにかか？
びっくりして気が動転しており、頭がぐちぐちと小言をならべる。
｢好奇心に勝てなかったんです｣
手をひっこめる。
スネイプはまだそこにいる。
｢はなれていただけませんか｣
つとめて失礼なく申しでると、スネイプは一歩下がった。
一歩下がった余裕でAはスネイプのほうにふりむいた。
むきあったとはいえ、なにを話すというわけでもないので、やや下らへんに視線をおく。
なにかしゃべってくれ。
その願いがとどいたのか、めずらしくスネイプから口をひらいた。
｢アスフォデルの球根の粉末にニガヨモギを煎じたものを加えると何になる？｣
｢え？｣
｢きこえなかったか？｣
二度はいわんぞというように口をかたく結ぶ。
魔法薬学の授業は一年生の初めの授業以外は二度と受けていなかったが、この質問はききおぼえがある。
忘れてたまるか。
正直、すべての最初の授業のなかで、魔法薬学が一番印象に残ってる。
｢眠り薬｣
｢その通り。では、べアゾール石はどこにある？｣
｢山羊の胃の中。解毒剤です｣
｢そうだ。それでは……モンクスフードとウルブズベーンとの違いは？｣
｢ありません｣
すべての質問がおわったらしく、スネイプはふたたび口を閉じた。
その表情はやや驚愕にも似ていた。
よもやすべてに答えられるとはおもってもいなかったのだろうか。
｢勉強したのか？魔法薬学を、独学で？｣
｢いや、台詞をおぼえていただけですよ。スネイプ先生の｣
じぶんの記憶力を誇示するわけでもなく、いたって平然にこたえた。
そして目を閉じてあの最初の授業の光景をおもいだす。
突然扉を開けたとおもったら、授業の挨拶にかこつけた魔法薬学の魅力の紹介をつらつら並べていったあの異様な光景を。
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ココ - とても面白かったです(≧〜≦)) (2018年12月8日 17時) (
レス) id: b9c23439f9 (このIDを非表示/違反報告)
朝比奈(プロフ) - とても面白いです^_^更新楽しみにしてます^_^ (2018年5月24日 17時) (レス) id: ebaf376ead (このIDを非表示/違反報告)
花吹雪 - 霧崎さん» 恐るべし、セブルス・スネイプ…… (2018年2月28日 6時) (レス) id: 0d387c6cdc (このIDを非表示/違反報告)
霧崎(プロフ) - 花吹雪さん» セブルス・スネイプだから許される奇行ですね…… (2018年2月26日 23時) (レス) id: 6ee8c035df (このIDを非表示/違反報告)
花吹雪 - 霧崎さん» 確かに……笑自分の教師がそんなことしてたら普通に引くわ笑 (2018年2月26日 22時) (レス) id: 0d387c6cdc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霧崎 | 作成日時：2018年2月19日 20時
