【番外編】イブsideS ページ23
クリスマスパーティの喧騒を抜け出して白い景色に身を投げる。生徒たちのはしゃぐ声を遠くで聞きながら、深夜の凍てついた空気を肺いっぱいに満たした。篭った熱が冷やされて気持ち良い。Aはしんしんと降り積もる雪をぼうっと眺めていた。
遠くから聞き慣れた靴音が聞こえてくる。大きな歩幅に颯爽とした足取り。それでいて忙しなく感じさせない歩き方。迷いなくこちらへ歩を進めてくる。
｢もうお開きか？｣
月明かりで照らされたスネイプの顔には、クリスマスイブを感じさせないいつも通りの表情が張り付いていた。
Aは、パーティの熱を冷ますために夜風に当たっていたことを伝えると、スネイプはさして興味がなさそうに鼻を鳴らした。その反応にAは、すこしばかり苛立ちを覚えて、こんな聖夜にも仕事とは大変ですねと皮肉を放った。
｢今日ほど忙殺される日はなかろう。この夜だけで何点ハッフルパフを減点したと思うかね｣
スネイプは煽りにまったく動じることなくつらつらと愚痴をこぼした。ちょっとやそっとの皮肉ではスネイプに反撃することはできないと分かったAは、しかたなく口を閉ざした。
｢ともあれ生徒が遊宴から離れ、一人でこそこそするのは教師として見過ごすわけにはいかないわけだが｣
この様子だとスネイプはさきほどのAの説明したことを信用していないらしい。
｢吾輩は貴様が何か良からぬことをしでかす前に無事に寮に戻るまで見張らなくてはならん｣
スネイプはしたり顔を浮かべてAを見下した。スネイプにとってだいたいの生徒は、素行不良の問題児に見えるらしい。そんなことしないと反論しても、どうせ聞く耳を持たないと判断した懸命なAは、お行儀よく次の言葉を待った。
｢……あの乱痴気騒ぎに戻ろうと言うのなら別だが？｣
すこしして、スネイプは寮に戻るかパーティに戻るかどちらか選べと言っていること気づき、Aは会場に戻ることに決めた。スネイプは口の隙間から白い息を漏らすのみだったが、普段より一層不機嫌になった表情は、ちょうど月明かりが雲隠れしたために見えなかった。
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ココ - とても面白かったです(≧〜≦)) (2018年12月8日 17時) (
レス) id: b9c23439f9 (このIDを非表示/違反報告)
朝比奈(プロフ) - とても面白いです^_^更新楽しみにしてます^_^ (2018年5月24日 17時) (レス) id: ebaf376ead (このIDを非表示/違反報告)
花吹雪 - 霧崎さん» 恐るべし、セブルス・スネイプ…… (2018年2月28日 6時) (レス) id: 0d387c6cdc (このIDを非表示/違反報告)
霧崎(プロフ) - 花吹雪さん» セブルス・スネイプだから許される奇行ですね…… (2018年2月26日 23時) (レス) id: 6ee8c035df (このIDを非表示/違反報告)
花吹雪 - 霧崎さん» 確かに……笑自分の教師がそんなことしてたら普通に引くわ笑 (2018年2月26日 22時) (レス) id: 0d387c6cdc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霧崎 | 作成日時：2018年2月19日 20時
