【66】浮き彫り ページ18
なんとなく変な雰囲気になってしまったので、ルーピンはAの頭から手をはずし、話題を復活させた。
｢……それで、昨日は木曜だったはずだけど｣
｢ああ。行きましたよちゃんと。スネイプ先生が言うには一年生の内容から補習するらしくてですね｣
｢一年生から？スネイプ先生は正気かい？｣
｢スネイプ先生が正気だったことは今まで一度もないですよ｣
ルーピンは吹き出したし、言った本人のAも吹き出した。
二人でしばらくくすくす笑うと、Aが話を続けた。
｢まあ今のところ順調ではあります。これからはどうなるかわかりませんが。
授業だと出来の悪い生徒もひっくるめて集団で学習しないといけないですけど、補習は私一人ですから、一応滞りなく進められるんです。
………………スネイプ先生も珍しく褒めてくれて｣
自分で言うのはすこし恥ずかしかったので、最後のほうはもごもご言ったが、ルーピンは案の定驚いた。
｢たしかにAは優秀だけれど……人を褒めるようなことは滅多にない｣
｢やっぱり変ですよね？スネイプ先生が褒めるなんて。謎だ……｣
Aもルーピンも不思議そうに唸った。
｢まあその日は一年生の内容は全部終わって終了〜って感じでした｣
｢さらりとすごいこと言うね……｣
｢一年生のは割りと簡単だし量も多くないですからね｣
Aは何でもなさそうに前髪を手で梳いた。
手櫛で梳くたびに髪が緑色の目にかかった。
後で切ろうとぼんやり考えた。
｢それでも夜は遅かったのでスネイプ先生に送ってもらって寮に帰りました…………あ。｣
やはりルーピンはかなり懐疑的な顔でAを見ていた。
あの三人にこの話をしたときと、ちょうど同じようにルーピンは驚いた。
ここでとうとう、Aにだけスネイプはおかしいということが浮き彫りとなった。
｢Aはスネイプのお気に入りなんだろうね｣
優しい声だったが、どこか苛立って聞こえた呟きに、Aは、そうですねとも違いますよとも言わなかった。
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ココ - とても面白かったです(≧〜≦)) (2018年12月8日 17時) (
レス) id: b9c23439f9 (このIDを非表示/違反報告)
朝比奈(プロフ) - とても面白いです^_^更新楽しみにしてます^_^ (2018年5月24日 17時) (レス) id: ebaf376ead (このIDを非表示/違反報告)
花吹雪 - 霧崎さん» 恐るべし、セブルス・スネイプ…… (2018年2月28日 6時) (レス) id: 0d387c6cdc (このIDを非表示/違反報告)
霧崎(プロフ) - 花吹雪さん» セブルス・スネイプだから許される奇行ですね…… (2018年2月26日 23時) (レス) id: 6ee8c035df (このIDを非表示/違反報告)
花吹雪 - 霧崎さん» 確かに……笑自分の教師がそんなことしてたら普通に引くわ笑 (2018年2月26日 22時) (レス) id: 0d387c6cdc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霧崎 | 作成日時：2018年2月19日 20時
