【63】認識のずれ ページ15
談話室に入ると、ハリーとロンがうつらうつらとしながら長い羊皮紙と対決していた。
握っている羽根ペンは今にもこぼれ落ちそうだった。
ハーマイオニーは別の羊皮紙を添削している。
｢あら、A。遅かったじゃない｣
｢君たちこそ｣
ハーマイオニーがAに気づくと、ハリーが｢おかえり、A｣、ロンが｢んえ？A？｣と顔を上げて寝ぼけまなこで言った。
何してるの、とAが問うと、
｢二人が宿題ためこんでるのよ。私が見てあげてるわけ｣
｢ハーマイオニーは優しいね｣
そう言うとハーマイオニーはすこし頬を染めてはにかんだ。
かわいかったのでなでなでした。
｢ちょっと、子ども扱いしないでよ｣
｢ごめん、つい。かわいかったから｣
｢あの〜、お二人さん？イチャイチャしてるとこ悪いんだけどさ｣
ロンがすこし不機嫌そうに話しかけた。
ハーマイオニーがイチャイチャなんて！と抗議したが無視された。
｢その様子だと、スネイプには何もされなかったみたいだね？｣
｢何もって何？ただ補習しただけだよ｣
それはよかった、とハリーとロンは目を合わせて肩をすくめた。
｢特別なことはなにもなかったよ。ふつうに補習してふつうに送ってもらって…………｣
｢いま、なんていった？｣
三人が同時に言った。
｢送ってもらった？ありえない｣とハーマイオニー。
｢そんな紳士みたいなこと、あいつがするかよ！｣とロン。
｢A、きっと幻覚をみたんじゃない？補習で疲れすぎて｣とハリー。
｢えぇ……｣
またAは困惑する。
やっぱりAのスネイプに対する認識と、三人のスネイプに対する認識には、ずれが生じてる気がする。
これは騙し階段で救ってもらったときのことは話さないほうがいいな、とAは思った。
あの場でなら、本来スネイプは、置き去りにしたに違いない。
それがグリフィンドール生ならなおさらだ。
｢それかやっぱり、お得意の服従の呪文か？A｣
ロンがにやっとした。
Aは気分を害したふりをして、おおきなため息をつき、両手をローブのポケットにつっこんだ。
ロンが、怒ったか？とおびえた表情をみせると、Aもにやっと笑った。
｢スネイプに服従の呪文は効かないと思うけど｣
それもそうだ、と三人は笑い合い、宿題も片をつけ、全員が寝床に入った。
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ココ - とても面白かったです(≧〜≦)) (2018年12月8日 17時) (
レス) id: b9c23439f9 (このIDを非表示/違反報告)
朝比奈(プロフ) - とても面白いです^_^更新楽しみにしてます^_^ (2018年5月24日 17時) (レス) id: ebaf376ead (このIDを非表示/違反報告)
花吹雪 - 霧崎さん» 恐るべし、セブルス・スネイプ…… (2018年2月28日 6時) (レス) id: 0d387c6cdc (このIDを非表示/違反報告)
霧崎(プロフ) - 花吹雪さん» セブルス・スネイプだから許される奇行ですね…… (2018年2月26日 23時) (レス) id: 6ee8c035df (このIDを非表示/違反報告)
花吹雪 - 霧崎さん» 確かに……笑自分の教師がそんなことしてたら普通に引くわ笑 (2018年2月26日 22時) (レス) id: 0d387c6cdc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霧崎 | 作成日時：2018年2月19日 20時
