切り傷 Killer ページ4
あらためてAちゃんを見る。
怯えた二つの目に、震える身体。
そして、服の裾からのぞいた切り傷……
この傷は、僕がつけたものだ。
そう自覚するたびに、何か、ドロドロしたものが心にこみ上げてくる。
Aちゃんの服の裾をめくりあげ、傷の様子を見る。
すると、Aちゃんは「ひっ」と短い悲鳴を漏らす。
傷はまだふさがっておらず、少し血がでている。
そりゃそうだ、さっきつけたばかりの傷なんだから。
そう、この傷は僕がAちゃんといた印なんだ。
いわば、キスマークみたいなもの。愛の印だよ。
「ねぇ、Aちゃん」
「……」
僕が名前を呼んでも、反応してくれない。もちろん生きてはいるが。
「大好きだよ、Aちゃん」
本当はまだまだ言い足りないのだけど。
幸いにも、僕にはたくさんの時間がある。
これから、Aちゃんに僕の気持ちをたっぷり刻み込んでいこう。
身体的にも……精神的にも……
そして僕はまたつぶやいた。
「逃がさないから」
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