純粋な庇護欲 Berry ページ3
「A〜っ！」
俺様が名前を呼ぶと、Aは俺様の方に振り返る。
すると、Aは目を見開き驚いたようにこう言った。
「Berry……その恰好は？」
そう言われ、俺様はあらためて自分の格好を見直す。
まず目に入ったのは赤く汚れたスカーフ。
次に、同じく赤く汚れている服。
Papに見つかる前になんとかしないと、きっと何があったのかと事情聴取されてしまうだろう。
そして、手にはナイフ。これにも赤い液体が付着している。
……確かに、この格好だとAも驚くだろう。
あぁそうだ。このことについても含めてAに報告することがあるんだった。
とりあえず、そのことをAに伝えよう。
「Aはこのごろ、他のニンゲン達に嫌がらせをされていただろう？」
俺様の問いに、Aは「うん」と頷く。
そう、Aはこのごろ、数人のニンゲンから嫌がらせを受けていた。
Aや俺様がどれだけ「やめろ」と言っても、ニンゲン達が嫌がらせをやめることはなかった。
「でも、これからは嫌がらせを止める必要も、Aが苦しむこともない！
なぜなら、俺様は――
――あのニンゲン達を殺してきたのだからな！」
俺様はそう高らかにAに告げる。
そう、服やスカーフについた汚れも、ナイフについている液体も、あのニンゲン達の返り血だ。
これ以上、苦しんでいるAを見ているのは心苦しかったからな！
我ながらよいことができた。
気が付くと、Aは泣いていた。
きっと、俺様のしたことに感動しているんだろう！
でも、Aの泣いている姿はもう見たくないな……。
そう思い、Aの頬をつたう涙を拭ってやる。
びくりとAが震える。
そんな姿がなんだか可愛く思えた。
――Aを守りたい。
そんな気持ちが、俺様の中に芽生えた。
これから、またAをいじめる輩が出てくるかもしれない。
もし、そんなことになったとしたら――
――また、俺様が守ってあげないと。
俺様はそんなことを思いながら、いまだに泣いているAをあやすように優しく抱きしめた――。
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何日間も放置している間にめっちゃ伸びててびっくりしたよ……
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