アニメ思い付き小説

ワンピース女主人公　１ ページ18

私の生まれた町は、とある海賊によって襲われ、焼き払われてしまいました。
きっと家族も友達もみな、亡くなったことでしょう。

もちろん、私も・・・


けれど、ひとつ心残りがありました。
誰かからか、聞いた話にこうあります。

心残りがあると、人の魂は成仏できずに現世に残る。

『私の場合も、そうなるのかな？』

私はきっと、とある人のことが気がかりで今ここにいるのでしょう。

この広い、大海原のどこかにいる、あの人が・・・。





気づけば私の身体は海に浮いていました。
いえ、正確には浮いていた、ではないのかもしれませんが・・・。
何故か海水を触っている感覚がないのです。
海水をすくってみても重さなんて感じられず、それどころか触ることが出来ていないようでした。

『(どうして・・・？)』

私は混乱しつつ、この状況をどうにかしなければと思いました。
しかしどこを見渡しても海しか見えません。

『(せめてもう少し高いところからこの状況を見渡せればなにか違うのかもしれないのに。)』

そう思った瞬間でした。体が上に浮いたのです。
すーっとそのままどこまでも行けるのではないかと思うくらいに高く上がりました。
びっくりしてしばらく浮いたままになってしまいましたが、ふと見下ろしたところに船が一隻みえました。

あそこに乗せてもらえないかな・・・

近づきたい、と思うと自然と体は船に向かっていきました。
普段の身体を動かすような感覚で自由に浮かんだりできるようです。

船に近づくとそこにはたくさんの男の人が忙しそうに動いていました。
少し大きな船だったので、乗船している人も多いみたいです。

『あの、すみません』

ダメもとで声を掛けますが、やはり聞こえないようで私の前を通って行ってしまいました。
はぁ・・・と落ち込んでいるともう一人男性がこちらに走ってくるではありませんか！

ぶつかる！！！！

そう思って思わず目と瞑ってしまったのですが、ぶつかる感覚はなく、目を開けて振り返ると通り過ぎてしまったようでした。

うすうす感じていました。海水に触れない。この船の物も触ることができるものはなかった。
そして人さえも私の身体は通り過ぎてしまう。

私は、幽霊になってしまったようです。

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