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……あれ、意外と追ってこないな。

毛布の中で呼吸するのもしんどくなってきたので、
出ることにした。




「あ、出てきた」


『ぎゃぁぁぁぁぁ!!!!』




毛布から出ると、すぐ傍で正座してる無一郎くんの
姿があった。




『びびびび、びっくりしたぁ!!!さっきまでは
キュンキュンで心臓バクバクだったけど、今は
ホラー的な意味で心臓バクバクだよ…。何で正座で
スタンバイしてるのさ……』


「無理矢理は良くないかなと思って。
出てくるの待ってた」




あぁ…無一郎くんでも、そういうのは気にするんだ。
少し安心したよ。




「僕に抱きしめられるの、嫌?」


『嫌じゃないけど、長時間やられると心臓が
持ちそうにないです』


「どうして?」


『む、無一郎くんの事が大好きすぎてドキドキ
しちゃうの!!』


「…ふーん」




無一郎くんは、腕を組んで少し考えた。
そして、両手を広げた。

何そのハグ待ちみたいなポーズ。




「じゃあ、Aが僕のこと抱きしめてよ。
僕はこの状態から動かないから。それなら出来るでしょ」


『何でそうなる!?』


「…もっと、Aに()れたいんだもん」




こんなにデレデレな無一郎くんを未だかつて見た事が
あっただろうか…。

もしかして、空白の2ヶ月間を短時間で埋めようと
している…!?




『…わかった。無一郎くん、絶対この状態から動いちゃ
ダメだからね。動いたら私は死ぬんで』


「はいはい。僕のことは土偶(どぐう)と思ってくれていいから」


『ど、土偶ですか…。えっと、首と腰どちらに
腕を回せば良いのでしょうか』


「お好きな方でどうぞ」




恐る恐る、無一郎くんの首に腕を回して体を
密着させる…。




「震えてる」


『緊張してんの!』




暫く、体を密着させる。
無一郎くんは約束通り、両手を広げたまま動かなかった。


…3分くらい経っただろうか。
私は無一郎くんからゆっくり離れた。




「顔から湯気が出そうだけど、大丈夫?」


『逆に聞くけど、何で無一郎くんは顔赤くなったり
しないの!?ドキドキとかしない感じ?』


「そんなことないよ」




無一郎くんは、私の手首を掴むと自分の左胸に
私の手のひらを押し当てた。

手のひらを通して、無一郎くんの早まる鼓動を感じる。




『…ドキドキしてる』


「でしょ?…Aの事が大好きだから、
ドキドキするんだよ」



無一郎くんは、優しく微笑んだ。

今日死んでも悔い無いわ…。



弍拾漆 . 雪→←・



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ゆうき(プロフ) - 掃除柱…。思わず吹き出してしまった…。 (8月5日 7時) (レス) @page11 id: 2a5fd21c3d (このIDを非表示/違反報告)
- 私のリクエスト書いてくれてありがとうございました!とっても面白くて気絶しそ。海の藻さん大好き! (6月22日 16時) (レス) @page46 id: b3ce70fd66 (このIDを非表示/違反報告)
海の藻さん(プロフ) - 葉色さん» 番外編でしかも割と雑めに書いたのですが、キメ学気に入って貰えて良かったです!!wキメ学ver.の連載…考えておきます!!😂 (6月22日 8時) (レス) id: bb4d90aa54 (このIDを非表示/違反報告)
海の藻さん(プロフ) - 香恋さん» ロスやばいですよね!夜更かしする必要がなくなったけど、やっぱり寂しい…😢知らないところでディスられてる宇髄さん…w冨岡さんだけ置物なのじわじわきますよね😂時透くんがヤキモチ妬くシーンは本編でもちょこちょこ出していこうと思います!♡ (6月22日 8時) (レス) id: bb4d90aa54 (このIDを非表示/違反報告)
葉色(プロフ) - 海の藻さんのキメツ学園最高すぎる…本編も最高すぎるけど!!!!ひとつの作品としてキメ学verが見たいくらいです()癒しをいつもありがとうございます!! (6月21日 21時) (レス) id: 81c68a872a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:海の藻さん | 作成日時:2023年5月26日 0時

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