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弍拾肆 . どうにもできない ページ14





猫は、いつだって人の心を(おだ)やかにしてくれる。




「…元気がないようだが、何かあったのか」




悲鳴嶼さんは心配そうに声を上げた。
……平常心を(よそお)っていたつもりだったけど、バレてたか。




『実は、無一郎くんと喧嘩しちゃって…。
無一郎くんが言ってることはすごく正しいんですけど、
言い方につい腹が立ってしまって…。それで、、』


「…そうか。それなら、気が済むまでここに居ると良い。
猫はいつだって人の心を穏やかにしてくれるからな」




そう言って、悲鳴嶼さんは優しく微笑んだ。




『わ、私も同じこと思ってました!猫は偉大です』




三毛猫の腹を撫でると、気持ち良さそうに
「にゃ〜」っと鳴いた。




「……これを使いなさい」


『えっ?』




悲鳴嶼さんが突然ハンカチを差し出してきたので、
恐る恐る受け取る。




『ど、どうしてハンカチを…?』


「…涙が溢れているぞ」


『えっ…!ほ、ほんとだ』




全然気付かなかったけど、目から涙がぼろぼろと
溢れていた。

猫たちは、そんな私を不安げに見上げた。




「時透もきっと、同じ想いだ。…私も、2人には
いつまでも仲(むつ)まじくいてほしいものだ」


『…わ、私、落ち着いたら家に戻って、無一郎くんと
お話してみます』


「ああ。応援している」




悲鳴嶼さんは微笑んで、大きな手でぽんぽんと
私の頭を優しく撫でた。

…なんだか落ち着く。




『ありがとう、お父さん』




…ん?あれ、私、今、何て言った___?

悲鳴嶼さんは私の頭を撫でる手を止めて、
驚いたようにこちらを じっと見つめている。


…もしかしてだけど私、悲鳴嶼さんに" お父さん "って
言った!?!?




『ごっ!ごめんなさい!!今のは違うんです!!!
悲鳴嶼さんの大きな手が父に似ていたので!!
あ、穴があったら入りたいです!!!』




私が顔を真っ赤にしながら弁明していると、
悲鳴嶼さんは「ふっ」と吹き出した。


恥ずかしすぎて、顔から湯気が出そうだ!!



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ゆうき(プロフ) - 掃除柱…。思わず吹き出してしまった…。 (8月5日 7時) (レス) @page11 id: 2a5fd21c3d (このIDを非表示/違反報告)
- 私のリクエスト書いてくれてありがとうございました!とっても面白くて気絶しそ。海の藻さん大好き! (6月22日 16時) (レス) @page46 id: b3ce70fd66 (このIDを非表示/違反報告)
海の藻さん(プロフ) - 葉色さん» 番外編でしかも割と雑めに書いたのですが、キメ学気に入って貰えて良かったです!!wキメ学ver.の連載…考えておきます!!😂 (6月22日 8時) (レス) id: bb4d90aa54 (このIDを非表示/違反報告)
海の藻さん(プロフ) - 香恋さん» ロスやばいですよね!夜更かしする必要がなくなったけど、やっぱり寂しい…😢知らないところでディスられてる宇髄さん…w冨岡さんだけ置物なのじわじわきますよね😂時透くんがヤキモチ妬くシーンは本編でもちょこちょこ出していこうと思います!♡ (6月22日 8時) (レス) id: bb4d90aa54 (このIDを非表示/違反報告)
葉色(プロフ) - 海の藻さんのキメツ学園最高すぎる…本編も最高すぎるけど!!!!ひとつの作品としてキメ学verが見たいくらいです()癒しをいつもありがとうございます!! (6月21日 21時) (レス) id: 81c68a872a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:海の藻さん | 作成日時:2023年5月26日 0時

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