伝 え た い 。(参) 【鬼滅の刃】

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「ねぇ、君の育手の名前は？どうせ録(ろく)でもない人
だったんでしょ。弟子が剣士に向いていないなんて
分かってたら、最終選別には行かせないと思うし。
弟子の不得手も見抜けないで、育手を名乗るなんて
理解できないなぁ」


『ううう、うるさい！馬鹿にしないで！！』




私のことは何とでも言えば良い。
でも、育手の爺ちゃんを悪く言うのは流石(さすが)に許せない。


…思わず桶(おけ)で掬(すく)った水を無一郎くんに浴びせてしまった。




『あ…』




気付いた時には時すでに遅し……。


無一郎くんは状況が把握出来ていないのか、
目を大きくさせて固まっていた。

髪の毛からは水が滴(したた)り、床には水溜まりができている。




『ごめ…』




謝ろうとして、口を噤(つぐ)んだ。
だって、私 悪くないし！！！




「……水かけられるようなこと言った？」


『い、言いました』




無一郎くんは怒ったような顔でびしょ濡れになった
髪の毛を両手で握り締め、水を絞った。




「本当のことしか言っていないはずだけど」


『言い方ってもんがあるでしょ』




あー、ダメだ。
頭に血が上ってイライラが止まらない。




「…着替えるから、どっか行って」




無一郎くんがあまりにも冷たく言い放つので、
イライラしつつも心臓が締め付けられた。




『言われなくても…！』




私は無一郎くんの肩を押して風呂場を飛び出した。



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不穏な空気だ…(他人事)

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