18-2 ページ25
誤字脱字が無いか確認していると、ガチャリと音を立てながら扉が開かれた。
「あれ？藤井居たの？」
扉を開けたのは、先ほどまで呻き声を上げていた福良さんだった。
ここに来たという事は撮影が終わったのか、
一旦止まっているかのどちらかだろう。
『撮影終わりました？
キッチンにコーヒー取りに行きたいんですけど』
一応確認のため伺うと、
「終わったから大丈夫だよ〜」と何時も朗らかな声で答えが返ってきた。
それにしてもQuizKnockに関わるようなってからコーヒーの消費量が増えた気がする。
適度に水も飲まないとカフェイン中毒になりそうだな、
とぼんやり思いながらスーパーのロゴが印刷されたビニル袋を手に持つ。
本来ならキッチンとリビングとされる部屋の扉を開け、
マロに似たヒマラヤンの描かれたマグカップに殆ど空になったインスタントコーヒーの顆粒を全て入れる、電気ケトルに入っていたお湯を注ぐ。
遂に空になったインスタントコーヒーの瓶を燃えないゴミ袋へ入れ、
新しい物をいつもの場所へ置く。
一緒に買ってきた食料は袋ごと棚の前へ。
一息つきコーヒーを口に含んでいると、
伊沢がニヤつきながら片手にカメラを持ちながら小さなアルミカップに入ったチョコレートを手渡してきた。
「普段お世話になっているから」とかそれっぽいことを並べているが、
表情を見ると嫌な予感しかしない。
怪訝な表情で伊沢を見ていると須貝さんからも
「俺も藤井にお世話になってるから」とチョコレートを渡されてしまった。
ここで食べないって選択肢は潰えた。
腹を括って伊沢から手渡されたチョコレートを一片、口に含む。
福良さんが呻き声を上げていた原因はこれか。
シンプルに不味い。
あとなんかネチャネチャしてるし、ミントのような清涼感が口に広がる。
これ以上口に含んでいても良いことはない、
と思いコーヒーで一気に流し込む。
眉間に思い切り皺を寄せながら須貝さんから渡された物も一片口に含む。
1度に摂取していい塩分のキャパシティをゆうに超えている味がする。
最早これはチョコレートではない。
茶色の塩タブレットと表現すべきものかもしれない。
口の中に残る茶色の塩タブレットをマグカップの残り少ないコーヒーで無理やり流し込む。
マグカップを机に置き、
目を爛々と輝かせる2人に率直な感想をぶつける。
『食べ物で遊ぶなよ』
後日サブチャンネルに一連の流れを載せられたのだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 178人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もっつぁれら(プロフ) - 餅兎さん» コメント、お気に入り登録ありがとうございます。これからものんびり書いていくので読んでいただけると幸いです。 (2020年2月24日 23時) (
レス) id: 0cf49c96a5 (このIDを非表示/違反報告)
餅兎(プロフ) - マロ様に使役される藤井さんとメンバーの絡み好きすぎてお気に入り登録しました ありがとうございます！！！ (2020年2月24日 21時) (レス) id: 10f5dc34bc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もっつぁれら | 作成日時：2020年2月5日 14時
