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「藤井って理系科目得意でしょ？」
と言って福良さんに手渡されたのは関西の名門私立中学と称される灘中の今年度の入試問題。
理系科目は得意な方ではあったが、
灘中のようなパズルの様に柔軟な対応力を求められる問題は福良さんの方が絶対に得意だろう。
そんな彼の手元にはストップウォッチ機能を表示しているスマートフォンがある。
動画を撮影するのに大体の目安にするのだろうと予測する。彼の考えに想いを馳せながら一呼吸し、
マグカップに中途半端に残っていたコーヒーを飲み干して鞄の中のペンケースに入っている多機能ボールペンを取り出す。
カチリとシャープペンシルを押し出して、
くるりと手の上で回す。
数分ほどカツカツとペンを走らせ計算をする。
中学入試とは言え、この計算量を要求されるのか…。
撮影し、公開される動画は黙々と解いている姿は早送りかカットされるであろう伊沢や川上の姿を思い浮かべる。
まぁ黙々と解く姿を流し続けるのも需要がないから仕方ない、と割り切り辿り着いた計算式の答えを記す。
問1でこれだけ時間をかけるのは良くないペースだろう。恐らくこのままノロノロ解いていたら全問解く前に試験時間終了になる。
問題の傾向、対策をしっかりと行っていない為、
力技でゴリゴリ計算をするというスマートさの欠片もない解き方だ。
福良さんに解答を提示すると「おっ、正解。じゃあ次の問題ね」と新たな問題を渡された。
確認しなかったけれど一体何問解かされるんだ…と疑問を持ちながら一度引き受けた事だから最後までやり切るしかないと腹をくくり、プリントを受け取った。
その後も解けたと思えば次々と問題を渡され、
彼が満足そうに微笑んだのは時計の長針が一周と半分回っていた。
終わりが見えないまま問題を解き続けるのは意外と骨が折れるものだった。
でも、まあ福良さんの事だから多くの人の興味を引くような動画の構成が出来たのだろう。
動画が公開されるのを一視聴者として楽しみに待つ事にしながら多機能ボールペンをペンケースへと片付けた。
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もっつぁれら(プロフ) - 餅兎さん» コメント、お気に入り登録ありがとうございます。これからものんびり書いていくので読んでいただけると幸いです。 (2020年2月24日 23時) (
レス) id: 0cf49c96a5 (このIDを非表示/違反報告)
餅兎(プロフ) - マロ様に使役される藤井さんとメンバーの絡み好きすぎてお気に入り登録しました ありがとうございます！！！ (2020年2月24日 21時) (レス) id: 10f5dc34bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もっつぁれら | 作成日時：2020年2月5日 14時
