検索窓
今日:1 hit、昨日:11 hit、合計:9,546 hit

共依存のなりの果て《skt》 ページ5

「あ、A!なんで先に帰ろうとしてんの!」

「…んー?ごめんごめん、さかたん待つの面倒くさくてさぁ〜」

「1人で帰るんは危ない言うたやんかぁ〜、も〜う!」

ぷりぷりしながら怒っているが、実際のところ全然怖くない。
些かさかたんは過保護過ぎるのだ。

「1人じゃ靴も取れへんやろ?靴箱高いんやから」

「いや、自分でも取ろうと思えば取れるし……」

「そんなこと言わんと、俺が取ったるから」

確かに靴箱が高いため、少し背伸びをしなければ取れないが、背伸びをすればいいだけのことだ。
そこまで不便さはない。
が、なぜかさかたんは毎日取ってくれる。

「…チッ…………3枚ねぇ」

「ん?なに、どうしたの?」

何かさかたんの呟きが聞こえたため、彼の表情を窺うと、眉根を寄せて手紙を睨んでいた。

「あー、ちょっとな、A宛の手紙が入っててん」

「え、じゃあ見なきゃ。早くちょうだいよ」

自分宛だと聞き、彼から手紙を受け取ろうとすると、さかたんは手紙をくしゃっと曲げ、ゴミ箱に投げた。

「ちょ、何してんの!」

「…いやさ、ちょっと内容が見えたんやけど……Aにとってあんま良くないことが書かれてたんよねぇ」

「え!?嫌がらせ、ってこと…?」

「んー、まぁそんな感じ。そういうもんは、処分せんとやん?」

「う、うん……」

「ほな、行こか。……大丈夫やで、Aには俺がついてんねんから」

彼の表情がいつもと違う気もしたが、嫌がらせを受けたという恐怖心が勝り、彼に連れられて校舎を出た。


*****


はー、ガチ意味わからんのやけど。



俺の彼女に手ぇ出すとか何様なん?…ま、書かれてた名前辿って、明日しばいたるけど。



それにしても、Aはかわええなぁ……俺が裏でこんなことしてるとか、知らへんのやもん。





かわいいかわいい俺のA。明日、俺がAにたかる害虫を3匹、退治しちゃるからな♥



口元に薄い笑みを浮かべながら、Aの背中に腕を回した。


*****


「ふんふふーん♪」

今日は久しぶりに人気のパンが買えたため、るんるん気分で教室へ向かっていると、空き教室の方から、何やら話し声が聞こえてきた。

『__っ!___先輩、もっ、やめて下さっ___!』

『_なんでも、し、ます、から__!』

「!!」

聞こえた内容と、誰かが殴られたような音に驚き、急いで空き教室に向かうと、そこには信じられない姿の彼氏が立っていた。

→→←→



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (28 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
68人がお気に入り
設定タグ:歌い手 , 浦島坂田船   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:フェレットみたらし団子 | 作成日時:2022年8月15日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。