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深夜、なぜか目が覚めた。スマホの時計で時刻を確認したところ、まだ朝の2時であった。これは二度寝だなと思ったのだが一度覚めた目が睡魔を呼び起こさずなかなか寝付けない。やむをえず布団から出てシャワーでも浴びようかと思った時、控えめではあるが何やら廊下が騒がしいことに気がついた。今日は確かこの旅館の利用客が俺らしかいないと聞いていた。つまり、昨日の時点で急に泊まった方さへいなければ音の原因はメンバーあるいわスタッフということになる。なぜこんなにも騒がしいのかとドアを開け顔を出す。
俺の推測通りこの騒ぎはメンバーとスタッフによって引き起こされているようだった。

「あ、大ちゃん。ごめんおこした?」
「んーん。なんか急に目が覚めちゃて。ところでこれ何の騒ぎなの薮ちゃん」
「まだ寝てる人多いから大きな声出すなよ?」
「それくらいわかってるって。」
「率直にいうと伊野尾がいない。」
「は????」

忙しなく動く人のうち薮ちゃんを捕まえて話をきけば。いのちゃんが消えたと言われる。薮ちゃんに釘を刺されていなければまるでアニメのようにこの旅館を振るわせるほどの大声を出していたことだろう。

「何でもスタッフさん曰く、昨日俺たちが戻ってきて鍵をそれぞれに渡していた段階で伊野尾の分だけ余ってたらしい。」
「その時点で俺らに聞けばよかったじゃん」
「昨日の自分の行動思い返してみろよ。鍵もらってすぐに部屋行って布団にダイブして寝てただろうが。」
「返す言葉もございません。…?てかその言い方だとみんなそんな感じだったの?」
「大概はそうだったみたいだな。スタッフさんたちは俺らが目に見えて疲れてるからそのまま休んでもらおうと思ってたんだってさ。そのうち伊野尾も来るだろうって俺が言っちゃったし。」
「え、薮ちゃんは気づいてたの?」
「俺鍵もらうのラストでスタッフさんに知らないかって聞かれてたからテキトーに答えちゃった。俺も疲れてたから。」
「それでいつになってもいのちゃんが帰ってこなくてこんな騒ぎになってるのね」

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作者名:悠璃 | 作成日時:2024年1月21日 12時

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