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ふと呟いたいのちゃんの声。彼から見て左側にいる俺たちとは反対の方向を向いてそういった。
しかし、俺の角度からは神社らしきものは見えなかった。

「ほんとだ!鳥居あるね。てことは近くに神社あるのかな?」

いのちゃんの隣からひょこっと顔を出し綺麗な鳥居だね!と笑う知念。どうやら俺の角度から見えないだけで実際にあるみたいだ。

「ちょっとだけさよってかない?」
「神社に?」
「そ。ここら辺で撮影させてもらったしお礼言ってこうかなって。」
「でもさー、ちゃん。神社行ってたら日暮れちゃうよ?」
「自分たちが何歳だと思ってんだよ。知念除けばみんな三十路だし、知念だってあと少ししたら30歳だぞ?子供じゃないんだし大丈夫でしょ」

地平線に差し掛かる夕陽と行きたそうにしているいのちゃんの表情を交互に見つめる。
普通ならいくべきではない。そんなことくらいわかっている。それでも行きたいと主張する彼を否定しきれなくてみんなの総意の元多数決をとった結果、いのちゃんの意見が通った。
旅館とは逆方向に足を進める。
少し行けば確かに綺麗な鳥居があった。
まるで深紅の薔薇のような色だと思った。

「うげ、この階段全部のぼんの?!」
「そりゃ登んないと神社につかないんだから登るでしょ。」

鳥居の下にある壁のようにつながる階段。
パッと見ただけじゃなん段あるかもわからない。というか分かりたくない。
ぐちぐちとぼやいていたらクスクスと笑いながら先いってるね、と囁かれる。ふわっと俺たちの背中に風が吹き抜けた。神様が歓迎してくれているようだった。
ズンズンと先をゆくいのちゃんを追いかける知念と裕翔。いのちゃんは珍しいとして相変わらず元気だなと胸の中でつぶやいた。

「いっちばーん!!」
「僕にばーん!!」
「お前らそんな走んなくても神社は逃げないよ?」
「いのちゃん、さんばーん。ね?」
「んー、俺さんばーん」

後列でゆっくりと歩いていた俺を含む5人を置いて我先にと階段を急いでいたもの達が何やら上で騒いでいた。

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作者名:悠璃 | 作成日時:2024年1月21日 12時

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