ar side ページ23
「いのっ、てめぇ、!俺の手離したら連れてかれるだろ!!」
「お前の手掴んで俺が助かっても知念が助からないなら自分の安否なんざどうでもいいんだよ!!わかったら手かせ!俺1人じゃ足りない」
「ああ、もう!お前らが助からないで俺らだけが助かっても意味ないんだよ!」
光くんと繋いでいた手を離し瞬時に知念の腕を掴む。それは徐々にドミノ倒しのように広がっていった。誰もが知念のもとに駆け寄り腕を掴んで黒い手から引き剥がすように引っ張る。
流石に8人はキャパオーバーだったのか知念が段々と地上に降りてくる
「残念だったね。僕の仲間舐めすぎ。誰もあなたのそばに行く気はないよ。」
その一言で諦めたのか黒い手が消えた。
「ここ階段だけどさ、円になって繋ごうよ。端っこができないように。」
うん、と一つ頷いて手を繋ぐ。さっきの順で繋いで俺と知念が手を繋げば完成だ。
「え、これどうやってくだんの?」
「あー、一段ずつ頑張る?お狐様も追いかけてきてないし、きたとしても俺たちなら追い払えるでしょ」
「ちょっと待って、お狐様って誰?」
「光。それは後ででいいだろ。伊野尾、大ちゃん、知念。ここから出たら覚悟してろよ。」
ここから出たら薮ちゃんからの質問と説教があることが確定したが甘んじて受け入れるとしよう。階段を一段降るたびに、せーのと声を合わせる。これはこれで楽しかった。みんなで手を繋いで、足りない足音も姿も何もなくてただひたすらにみんなで階段を下る。生と死の境にいるかのような場所なのに楽しいと感じてしまうのはこのメンバーだからだろうか。
いつの間にか降りきりくぐった鳥居を見てそれまでの疲労が一気に襲ってきた。
思い返せば今日は朝から走ってばかりだ。急いで階段を降りるためにダッシュして、知念と階段ダッシュで登って、また走って階段を下る。アラサーがやる運動量ではない。
「点呼!!みんな居ますか?一番。有岡、います!!」
「何それw二番、山田いまーす。」
「次俺かな?三番中島いるよー!」
「あ、順番ね。四番、高木います」
「六番、じゃなくて、五番、八乙女全然いまーす」
「アホな八乙女に続き、六番薮いまーす」
「七番、伊野尾、やく半日ぶりに出てきた気がする」
「最後。八番知念。Hey!Say!JUMP全員います!!」
今度こそ、ようやっと全員が揃った。誰も置いてきていない。
これで絶対に大丈夫だ。
21人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:悠璃 | 作成日時:2024年1月21日 12時