星が見えない夜空 (ページ10)

今日:6 hit、昨日:0 hit、合計:20,499 hit

Ｎｏ.９ページ10

・
・
・

あの日、米津さんとあった日から約3ヶ月程経ち、

完全に右足の骨折も完治して。

3ヶ月も経てばもう一度会えるだろうかなんて気持ちは絶対にもう会えないだろうというか気持ちに変わっていて、

今日もいつも通り仕事を終え自宅へと戻る。

夕食を終え、お風呂上がりに三ツ〇サイダーを飲もうと冷蔵庫を開ける。

だが冷蔵庫には一本も無く、買いに行く事に。

髪を乾かし、ラフな格好に着替え、鍵と財布を持ちコンビニへと向かう。

あの時と少し違うが3ヶ月前の出来事が頭に過ぎり、再び変な期待が胸に宿り。

＿＿＿だが、案の定矢張りコンビニの中にも外にも憧れの人の姿は見えなくて少し落ち込んで。

「何期待してるんだろ … 」

ぽつりと呟き自宅を目指そうと歩き始めた時、何となく周りを見た時に視界に公園が入り、

急いで帰る理由もない為何となくその公園へと足を運び。

公園着けば、この辺は少しライトなどで明るいが夜という事もある為か周りには誰もいなくて。

近くのベンチへと向かい腰をおろし先程買った三ツ〇サイダーを飲む。

顔を上げ夜空を見る。

でも見えるのは月だけで星はあんまり見えなくて、何処か寂しく思い。

「星、見えないな … 」

それもそのはず、ここに来る前にいた私の地元は田舎で更に実家や一人暮らしをしていたアパートの場所は

街から少し離れていて夜になれば辺りは暗く、空を見上げれば星が良く見えていたからだ。

ここも少し街から離れているが矢張り周りは電光掲示板やらなんやらで明るくて星が見えない。

そのままずっと星の見えない月だけ浮かぶ夜空を眺めていると＿＿＿、

「 Aさん」

背後から聞き覚えのある低い声がして私の名前を呼んでいて、

一気に期待が膨れあがり後ろを向けば、

「よ、米津さん … ！」

そこには膨れた袋を片手に持った米津さんの姿があって。