ちびれんくん7

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渡辺先生side

一瞬、廉くんの傍から離れて

処置室のカーテンを開けると、さっき上がってた

雨がまた降ってきて、しかも豪雨で

雷もまだなってるのか、時よりピカリ、と空に稲妻が走る。


「れんくん、怖がっちゃうよね…」


病院の中はある程度、防音仕様になってるんだけど

今日の雨は凄まじいみたいで

雨の音、それから雷の音が聞こえてくる。


今はさっき打った注射の影響で

眠ってる廉くんも、後数分経てば起きてしまう。


少しでも怖さが減るように

必死に頭をフル回転させて

見つけた懐中電灯と、色が付いた透明のフィルム。


廉くんが起きるまでの数分間で

いろんな形に切って、廉くんの傍に座って

起きるまで見守ることにした。




*









*



廉「んっ……ふぇっ…まっくらぁ…涙」

「廉くーん、僕のことわかるかな？」


近くに座って優しく声を掛けてあげる。


廉「渡辺、しぇんしぇー…涙」

「正解！おいで」

廉「んっ、ぎゅっ」


手を広げてあげれば

ベットから起き上がってボフッと

抱き着いてきてくれた。


「よしよし、真っ暗なの怖いね」

廉(コクン)

「そんな廉くんにこれ！なーんだ」

廉「ライト？」

「そう！凄いね、なんでも知ってるね」


そう褒めてあげれば、ふふっと

小さな笑い声が聞こえてきた。


大人の時の廉くんから知ってるけど

可愛いなぁ、ちびれんくんって。


「そして、これをー」


さっき切った色付きの透明なフィルムを

空き容器のペットボトルに貼り付けて…


ペットポトルの底にライトを当てると…


廉「わ！しゅごい！きれー」

「ふふ、なんちゃってプラレタリウムだよ」

廉「ぷられた、りゅーむ、？」

「そう。お星さまとかがね、見れるお店があるんだよ」

廉「しゅごい！こんど、しょーたちに頼むー」

「ふふ、今度連れてってもらいな？」

廉「あい！」


なんちゃってプラレタリウムのお陰で

すっかり笑顔になった廉くん。




*







*




廉「かいは？」

「海人くん？海人くんもどこかのお部屋で、電気がつくまで待機してると思うから、電気つくまで僕と居ようね」

廉「あい、っ…」

「おでこ痛い？」


その問いかけに小さく頷いた廉くん。

縫ってるからズキズキするよね。


「痛み止めのテープ、貼ろっか」

廉「ありがちょ…」


処置用の棚から痛み止めのテープを

おでこに優しく貼ってあげると僕の胸に顔を埋めてきて


そんなこと初めてだったから

びっくりしたけど可愛い、そう思った

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