ちびれんくん7

▽ ページ30

岸side

廉「これ、シュポーチュカーっていうの？」

紫「そうだよ〜。速いスピードで走るんだよ〜」


今まで、廉が大好きなのは

新幹線や飛行機だったから

俺ら全員、悲しいくらいに知識が無くて

「そうなんだぁ〜」とか「かっこいいね〜」

っていう簡単な感想しか言ってあげられなくて

廉に申し訳ない気持ちがずっとあったんだけど…


今廉が大好きになりかけてるのは

車で…うちのメンバーで車が大好きなのと言えば

紫耀と神宮寺の2人。


今度は車の事なら

紫耀と神宮寺が共感してくれるんだろうなぁと思うと

安心したし嬉しい気持ちになった。


廉「新幹しぇんと車どっちが速い？」


ふっ…笑

廉はもう車に興味津々で

何となく分かってるのか

紫耀と神宮寺に質問攻め…笑


神「新幹線の方が速く走るかなー」

廉「しゅごい！新幹しぇんしゅごいね〜」

紫「だね。でも車も凄いんだよー？」


なんて2人が廉にも分かりやすく

優しく車の事を教えてくれるもんだから

もう廉の目はずっとキラッキラ…笑


海「嬉しそうだね」

「うん。あの笑顔が1番だよね」

海「だね」




＊










＊








＊




それから紫耀と神宮寺が廉の事を見てくれてるから

夕飯の支度を始めることにした。


海「岸くん、俺手伝うよ」

「お、ありがとう」


海人が手伝ってくれながら

カレーを作ることにした。


海「カレー？」

「おう。さっき廉と買い物に行った時にさ、夕飯はカレーがいいって廉からのリクエストがあってさ」

海「そうだったんだ。ならとびっきり美味しいのを作ってあげないとね」


何て海人と話しながら

カレーを作り進めてると…


「ん？廉？」


足に感じた小さな温もり。

作業の手を止めて下に視線を向けると

廉がギュっと俺の足にしがみついてた。


紫「廉、岸くんが居ない事に気づいちゃって…」

神「岸くんの所行くって、半泣きだったんだよ？」


後ろからやってきた

神宮寺と紫耀が説明してくれた。


「ごめんな、廉。離れないって約束したのに」


そうだった…

今日約束したんだった。離れないって。

何やってんだ、俺。


最近忙しくて廉との時間を作ってやれてなかったから

今日は思う存分甘やかそうって、傍に居ようって決めたのに。


神宮寺と紫耀が見ててくれるから平気だって

自分で勝手に決めつけて、廉に一言も言わず傍を離れて…。


廉「ん、抱っこ…」

「うん。いいよ。おいで」


廉を抱っこ紐に入れて夕食作りを再開した。

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