ちびれんくん

▽ ページ30

紫耀side

廉「しょー、これ…」

「ん、あー、いいよ。これね」


しんどいはずなのに、俺と遊びたいらしい廉は

俺におもちゃを手渡して、一緒に遊ぼとアピールしてくる。



＊



廉「げほげほっ、はぁっ、」


廉の体調が良くないと気づいてから早1時間と15分。

流石に限界になってきた廉は、咳も酷くなってるし


何より、息が荒くなってる。


「廉、一旦休憩しよ」

廉「げほげほっ、はぁっ、んーん、ややぁ…涙」


そう優しく言ってみたんだけど

廉は遊びたいのか、やだぁと泣きはじめて

駄々をこね始めちゃった…。


廉「やぁ…ヒック…げほっ、しょー、とあしょぶの…っ」

「おっと…ほぉら、しんどいでしょ？元気になったら遊ぼ？」


廉は途中でぐらっと来ちゃったみたいで

俺の方に倒れこんできちゃって…


それを何とか危機一髪。抱き留めて

そう言えば、今度は小さく涙を流し始めた。


まぁ、俺も久しぶりのオフだったから

出来ることなら、廉と遊んでやりたいけどさ…。


しんどい中で遊ばせて、無理させて

悪化させたら、それこそ下手したら入院ってなっちゃうし…


ただでさえ、今廉の体は幼児化してることによって

色んな負担がかかってる。昔掛かってた持病が再発しちゃってるし…


廉「ほんちょ、やくしょくだよ？」

「うん、約束。元気になったらたーくさん遊んでやるから、今はお熱さん下げような」


そう言えば、やっと納得してくれたみたいで

涙さんが止まった。


廉「ん…げほげほっ、はぁ…っ」

「しんどいね。よしよし」


抱っこして、背中をトントンして、摩ってあげる。

これで少しでも廉の息苦しさが変わってくれたらいいなぁ。


＊


それから、熱で眠いみたいなんだけど

しんどさがあって中々寝付けないみたいで…


廉「ふぇぇっ…涙ねんねぇ…涙」

「うん、ねんねしたいね」


俺の胸に顔をぐりぐりしながら

泣いて、寝かせてくれーと訴えてくる。


おんぶ紐に入れてみるか…

廉、おんぶ紐好きみたいでさ、おんぶ紐に入れて

トントンしてあげるとまぁまぁすぐ寝落ちしちゃうんだよね。


廉を抱っこしたまま、おんぶ紐が入ってるところに

向かっておんぶ紐を取り出して、廉を入れてトントンする


廉「ふぇぇ…うぅぅ…涙」

「よしよし、しょお居るからね」



そう言いながらゆらゆらしてあげれば

段々泣き声が小さくなってきた。


あ、もう少しで寝るな。

そう思った数分後、コテンと夢の世界に落ちてった。

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