ちびれんくん

▽ ページ42

岸side

それから、廉の手を冷やすものを

持ってきてくれたお姉さん。


女性「僕、痛かったね。ごめんね」

廉「ふぇぇ…ヒック…たいぃ…涙」

「痛いな、廉。ごめんな」


かなり痛むらしく、中々涙が止まらないし

冷やすものを当てただけで、痛むみたいで

更に涙が溢れて出てきた。


女性「本当に申し訳ございません。こちらのミスで、お怪我させてしまって…」

「謝らないでください。ちゃんと見てなかった、僕にも非はありますし…」



本当に、その通りなんだ。

俺があそこで寝ないでちゃんと

廉の事見ていたら…。


廉に痛い思いさせずに済んだのに。


廉「ヒック…グスッ…ゆーちゃも、おねーさんも、わりゅくないっ、」

「廉…」

廉「誰も、わりゅくない、からっ…涙」


まだ痛くて、涙が溢れてて

嗚咽に邪魔されながらも「俺らは悪くない」と

何回もそう言ってくれる廉。


こんな小さくなっても廉は廉なんだなと

でも、悪いのは俺なんだよ。廉。


これは後で、家に帰ったら

皆からお説教コースだな。


女性「とりあえず、今お医者さん呼んでますので、もうしばらくお待ちください」

「あ、すいません。ありがとうございます」


この赤黒い感じ、下手したら…

いや下手しないでも、折れてるかも知れねーな。



＊



とか思いながら待ってると

優しそうなお医者さんが到着。


…なんだけど、廉はお医者さんと

一瞬目が合っただけで、怖がって俺の

胸に顔を埋めて…


廉「ゆーちゃ、れぇん…おてて、痛くない。だーじょぶ」

「えぇ…痛いだろ？」


今度は手は痛くないから、お医者さんに

診てもらわなくて大丈夫と訴えてきた。


けど、冷やしただけで痛みが引くとは

思えないけど？


医者「大丈夫ですよ。すいません、遅くなって」

「いえ。こちらこそ、すいません」


それから何とか廉を説得して

泣きながらも先生に右手だけ！と約束して

診てもらう事になった。


先生曰く、骨は折れてないけど

骨に負担は相当かかってるとの事。


その為に痛みが出ていて…

挟まれた痛み。よりかは骨が痛んでるみたい。


医者「小さい子の骨って、柔らかくて…大人が骨折するような怪我でも、しなって衝撃を吸収して受け流すんです」

「え？そうなんすか？」

医者「はい、大人なら骨折してたと思います」


マジかぁ…

そりゃ痛むよなぁ


それから湿布とソフトギブスを

両手に巻いてもらって、痛み止めも貰った。

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