春の訪れ香るミモザ (ページ5)

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春ページ5

相変わらず誰もいない公園で風に揺れる可愛らしい黄色のミモザ

新しい出会いを待つ間、何となくベンチに座ってかつてヴィルがいた場所をそっと撫でた

「あら、人がいるなんて珍しいじゃない」

ｯｯ!!なんでヴィルが此処にいるの…?!

つい驚いて顔を上げると、ヴィルまで驚いた顔をする。

「………隣いいかしら?」

「あ、うん。どうぞ…」

真逆隣に座りたいって言い出すなんて思わなかったから、なんだか変に緊張する

「…やっぱり綺麗ね」

「うん。ミモザの綺麗さは初めて見た時から変わらないね」

「違うわ……はぁ、アタシねアンタと別れた事後悔してるの」

後悔していたのは同じなの？遠くに行ってしまったって思ったけれど、想像より近い距離にいるみたいで不思議な気分だわ。

「あの、ヴィル。私ちゃんと言葉にして伝えてなかった。ごめんなさい……私もずっと後悔してた」

もう一度謝ろうとしたその時

フワッとヴィルの香りが広がった。
…え?私、抱きしめられてる??

「ねぇ、アタシ達やり直せるかしら。今度こそ手放したりなんかしないわ。約束する」

「…うん、やり直したい。私、ヴィルと幸せになりたい…!」

私がそう言うと、ヴィルは初めて此処に来た時と同じように微笑んで

｢愛しているわ｣

と甘く優しいキスを贈った