検索窓
今日:37 hit、昨日:4 hit、合計:248,318 hit

ゆきのふるひに。 ページ45

狗巻side

五条先生の声は、ひどく暗い。

「…僕とAが出会ったのは、彼女が中学3年の夏でね。上層部の嫌がらせで二級呪霊の任務に行ってたんだ。でも指定された場所に行っても呪霊は既に祓われた後だった。」

「……Aがね、祓ってたんだよ。信じられる?中学生のAがさ、剣を片手に、血だらけでさ。話しかけたら、僕を見てにっこり笑って、『こんにちは』て。なんでもない顔して言うんだ。」

そう言う先生の顔は、影になって見えないけれど、泣いているみたいだった。

「…それで、六眼で見てみたら、かなり強い術式を持ってたから冗談半分で「呪術高専に来ない?給料もでるし、高卒認定も取れるよ。あと美味しいご飯が出る食堂もあるよ。」って誘ったら、Aどうしたと思う?」


「『行きます』って即答でさ。……今思えば、あの頃からもう手遅れだったんだよ。」

「…それは、どういう」

「それから僕はたまに彼女に会いに行った。会って、いろんな話したりご飯を食べたりした。当時から彼女はすごくちょろくて、なにかとすぐ他人の誘いに乗るから心配だった。こんなにちょろい子に会ったのは初めてだよ。でもそれが大事なサインだったなんて全然気づいてなかったんだ。」


「硝子に、彼女のことを話したらね、深刻そうな顔で「それは愛情不足の表れかもしれないな」って言うんだよ。僕びっくりしてさ、「どういうこと?」って聞いたら、「家族に恵まれていないのかもな」って。…僕、妙に胸騒ぎがしたから、夜だったんだけどすぐAの家に行ったんだ。」



「そしたら、Aは玄関の外で膝を抱えて座ってた。」




「雪の降ってた真冬の夜にね。」

かなしいこのはなし。→←知る権利



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (288 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1188人がお気に入り
設定タグ:呪術廻戦 , 愛され
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

シシマチ(プロフ) - さざんかさん» コメントありがとうございます。楽しんで読んでくださって、とてもうれしいです。更新頑張ります! (2021年6月14日 21時) (レス) id: 6141eb3956 (このIDを非表示/違反報告)
さざんか(プロフ) - わー!!気になるところで止まってらっしゃる;;更新お疲れ様です!めちゃ楽しませてもらってます!!続きも楽しみにしています! (2021年6月14日 1時) (レス) id: 20c7caba78 (このIDを非表示/違反報告)
シシマチ(プロフ) - 43yomi1さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しい限りです。更新頑張ります! (2021年6月11日 17時) (レス) id: 6141eb3956 (このIDを非表示/違反報告)
43yomi1(プロフ) - 初めまして!シシマチ様の小説とっても素敵で、思わず惹き込まれてしまいました…!更新楽しみにしてます…!!!!! (2021年6月10日 15時) (レス) id: d2940ba0c0 (このIDを非表示/違反報告)
シシマチ(プロフ) - 小手鞠さん» コメントありがとうございます!更新頑張りますね(^^) (2021年6月10日 0時) (レス) id: 5733ebb1d6 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:シシマチ | 作成日時:2021年6月3日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。