退化 ページ32
五条side
パンダが帰ってきた。
「どうだった!?」
「長く話してたようだが、お前のことは覚えていたのか?」
「……覚えてはなかった。」
「Aはなんて言ってた!?」
そう聞くと、パンダは声を詰まらせた。
なにか悩んでいるような。
「………俺を妖精だと勘違いしてるみたいでさ、なんか「天国に行きたい」って、」
「「「「っ!!!」」」」
天国!?
死にたいってこと?
驚いて声も出なかった。
「でも、天国がどういうところなのかよくわかってないみたいだった。でもいい子にしていれば天国っていう楽しい所に行けるんだって、母親に言われてたらしい。」
「…は、?」
「なんだよそれ、母親って普通そんなこと言うか!?」
「おかか!たかな!いくら!!!」
言う。
あの親なら、いとも簡単にその台詞を口にするだろう。
もうAは、あの日々のことは忘れてると思ったのに。
高専での楽しい思い出で上書きしたと思ってたのに。
赦せない。
と、今まで黙っていた硝子が口を開いた。
「…私や五条、後輩達もダメで、パンダはオーケー。これではっきりしたな。…Aは、記憶が混乱しているんじゃない。退化しているんだ。」
「…退化?どういうこと?」
「そのままの意味だよ。記憶が過去に戻ってるってことだ。」
「…そんなことってありえるのかよ」
「さぁな。私もそんな事例は見たことがない。
………よっぽど獄門彊の中が恐かったか、もしくは獄門彊の中で、彼女のトラウマが深く呼び起こされたか」
硝子の重い言葉に、誰も声が出なかった。
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シシマチ(プロフ) - さざんかさん» コメントありがとうございます。楽しんで読んでくださって、とてもうれしいです。更新頑張ります! (2021年6月14日 21時) (レス) id: 6141eb3956 (このIDを非表示/違反報告)
さざんか(プロフ) - わー!!気になるところで止まってらっしゃる;;更新お疲れ様です!めちゃ楽しませてもらってます!!続きも楽しみにしています! (2021年6月14日 1時) (レス) id: 20c7caba78 (このIDを非表示/違反報告)
シシマチ(プロフ) - 43yomi1さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しい限りです。更新頑張ります! (2021年6月11日 17時) (レス) id: 6141eb3956 (このIDを非表示/違反報告)
43yomi1(プロフ) - 初めまして!シシマチ様の小説とっても素敵で、思わず惹き込まれてしまいました…!更新楽しみにしてます…!!!!! (2021年6月10日 15時) (レス) id: d2940ba0c0 (このIDを非表示/違反報告)
シシマチ(プロフ) - 小手鞠さん» コメントありがとうございます!更新頑張りますね(^^) (2021年6月10日 0時) (レス) id: 5733ebb1d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シシマチ | 作成日時:2021年6月3日 21時